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藤井フミヤ コンサートツアー2020-2021”ACTION”によせて

 

  先日終了した藤井フミヤさんのACTIONについて遅ればせながら綴っておきたいと思います。いつものことながら残念な記憶力のためにライブレポートと呼べるようなものとは程遠いのであしからず。

 

 2021年のライブ

 2020年以降、文字通り全ての人がいろんな思いをして、何が本当に大切で、何が本当に必要なものなのか考えなければいけなかった時間を過ごしてきたと思う。変わってしまったものも、変わらなければならなかったものもたくさんあった。少しずつ社会の考え方やとらえ方も変化したように思うけど、やっぱり音楽や芸術は、前と変わらず…というか以前よりも増して必要で大切なものだと改めて実感された方も少なくなかったはずです。

ただ、音楽への愛とか恋しさは深まったけれど、それを伝える方法や、それを肯定する方法は正直私にはわからなかった。なんとももどかしい日々でしたが、その中ですごく早い段階(2020年の秋のはじめだったような…)でツアーの開催が発表されたこと、正直すごく驚きました。そして最大限配慮された日程だったのもすごくかっこいいと思った。ライブに行くことを少しためらう気持ちもあって、(ほら仕事の立場とかあるし…笑)どうしようかな、行っていいのかなって悩んだこともあったのだけど、観客でこれだけ悩むんだったら開催される方々の苦悩はどれほどの事か…考えるだけでいろいろこみあげてきます。

改めて、すごく難しい状況の中で試行錯誤しながらもライブツアーを開催してくださったこと、そしてそれが音楽を・とりわけ歌を中心としたACTIONであったことはいろんな人にとって大きな意味があったと思う。とにかく楽しくて忘れられない時間になりました。改めてすべての皆様に心からの感謝と拍手を送りたいです。まだまだみんな大変だけど、楽しい時間を過ごして前向きになれた、そして音楽っていいよね、また一緒に遊びたいよね、って思えたのが最高に幸せでした。今回のライブほんとに見れてよかった!って過去最高に思ったよ。

 

 最高のボーカリスト:シンガーとして

藤井フミヤさん、本当にいい声で、非常に上手いです。もう毎回ステージを見るたびに書くのでそれしか書くことないん?って自分でも思う。でも揺らぎないことなので。フミヤさんのファンになっていつかこの状況に慣れてしまうのではないか?と思ったこともあったのですが本当にただの杞憂でした。何度見ても、何度聞いても、その声の成熟度合と、純真さと、色気に感動します。藤井フミヤ、脂乗り切ってる。間違いなく59歳を迎えられた(お誕生日おめでとうございます!)今が一番おいしいです。

 そして、2020年から複数のメディア、特に音楽番組に出演なさっていたこともすごく楽しかったな。藤井フミヤさん、たぶん世間が思うよりずっとチャーミングで、ストイックだけど全然近所にいてほしい人(なんだそれ)なのでそういうパーソナルな部分をクローズアップされることもオタクとしては最高なのですが、やっぱり彼は音楽の中にいるとき―音を奏で歌を歌い、言葉を紡ぐときこそが最も美しい方なのでその面がいろいろなところで発信されていくのはとてもうれしく、興味深かったです。

一番話題になったのはNHKの特番かな?このご時世に、大型タイアップがあったわけでもなく完全特番として一人のアーティストに焦点を当てた番組が放送されたのってすごいこと!フミヤさんのお言葉がたくさん聞けたのはもちろん、売野さん・芹沢さんの貴重なお話も聞けてすごく興味深い番組でした。この番組の感想は無駄に長くなるから割愛するけど、あ、この方って本当にすごい人なんだ、ずっと音楽と歌声を求められて生きてきたアーティストなんだって改めて実感しました。いや、知っていたつもりだったけど、本当にいつも想像以上の人だというか。音楽とその声で世代問わず多くの人を魅了してきたことを、改めて見せていただいたように思います。

そんなこんなでTV等でもちょいちょい見ていたのですが、やっぱりライブは本当に凄まじかった。極上のエンターテイメントであり、最高のACTIONだったと思う。フミヤさんはライブアーティスの中の王道ライブアーティストなので、CDきいてすごくいいな!と思った曲がライブで聞くと、えっ…やば…ありがとう(感嘆の声)になるということは割とあるのだけど、今回はその、えっっの部分の振れ幅が非常に大きかった。これはファンの願望も入っているのでしょうけど、フミヤさんご自身も、バンドの皆さんも(もちろんわれらが愛する尚ちゃんも!)並々ならぬ想いでステージを作っていらっしゃったのかな、と感じます。

 
歌を聞いたライブ:ACTION

 生のステージを見たときの感想に藤井フミヤの歌を一番聞いたツアーだった、と書いたのですが、もっと細かく言うとボーカリスト:シンガーとしての藤井フミヤのすごさを存分に味わいつくしたライブだったと思います。

なんかろっきんぐおんとか読んでいたタイプだったのでアーティストって言葉を使いがちだし笑、フミヤさんは美術的な側面も含めて正真正銘の“アーティスト”だと思うけれど、藤井フミヤって最高のボーカリストなんだ、この人は歌をうたう人なんだ!ということを思い知らされました。

 

今回はチェッカーズの初期の曲も含めて、ボーカリスト藤井フミヤが何をどう歌ってきたのか、それにどんな愛情をのせてきたのか、が最もわかるセットリストだったんじゃないかな。

セトリに関しては初めてみたとき、これネットミームでいうところの“ぼくがかんがえたさいきょうのふじいふみや”なんじゃないの?と思ったぐらい。デビューから最新のアルバムに至るまで網羅されたセットリストを2021年のサウンドで聴けたのはこれ以上ない贅沢だった。セトリの文字面だけでのぞいてもよかったってなるレベルかも。

 

<さぁその手をこの場で出してよ 今すぐ出しなよ/僕が先 さぁハートのエースをあげるよ ゲームは終わりさ>で始まったライブ、最初からクライマックスだし、我々にとって永遠に<Mirrorに映る Love voice>はフミヤさんの声であり<Do the little dance>することは実はすべての人の<Style>なのだ、と思った。<思い出は夏のまま時をとめたね>というフレーズのように、<髪のリボンほどいた>ような小さな瞬間を永遠のものとしてこれほど心いっぱいの情景として歌うひとがいるんだ!って純粋に感動した。

<ここはまぶしい砂漠さ desert town つかめない蜃気楼だね><今はまぶしさだけが浮かぶよ 臆病になるほど叫びに変わっていく>のように青く、はかなく難しい恋愛も、まぶしいほどの<ティーンネイジドリーマー>としての記憶も、<はるかはるか 遠い未来を夢見てた>僕らの生き方も<あの星を見上げている>姿も、そして大人になっても<その瞳にドキドキしたい>のもすべて藤井フミヤがうたってきたんだ、って実感した時なんか震えちゃった。人生じゃん。挙げていくとキリもないけど最初から最後まで本当に素晴らしさしかなかったです。

 

初期の曲も含め多くの曲がセットリストに入れられ、2021年の藤井フミヤによって歌われたことは凄く歴史的な事だったと思う。チェッカーズに関しては溢れんばかりの想いがあるので(ファンの人はたぶんきっとみんなそう)、やっぱりうれしかったです。

私はチェッカーズをリアルタイムに見てない世代なので、大音量+生演奏で聞くのは初めて!という曲もたくさんあってすごく新鮮でした。もうほんと今更でしかないけれどみんないい曲。全部好きな曲、そして自分にとってもすごく大事な思い出の曲だと思った。なんというか、私はチェッカーズをきちんと体験していないから、チェッカーズの曲を思い出やノスタルジーという一面だけで語られるときに一抹の寂しさ・疎外感を(勝手に)味わってしまうことがあるのですが、それが全くなかった。あぁこの曲たちは今いるすべての人のためにうたわれているんだ、と自然と思えたことがすごくすごくうれしかった。いやまぁ私が気にしすぎでは、って言われたらそれまでなのだけど笑、ライブに行って生で音楽を聴くことの醍醐味をまた味わえたような気がします。 

何より、フミヤさんがあの頃のフミヤくんをオーバーラップさせながらも、すごく今らしく、今の声と音で歌ってくれたのが最高でした。オタクだからチェッカーズの話になると当時の状況は~とか中期における~とかいろいろ思考してしまうのですが、ほとんどはじめて流れから切り離してすごく純粋に音楽だけを聴いたかもしれない(遅)。歌謡曲にカテゴライズされがちな楽曲たちも生で聞くと全然違った印象で!興味深かったです。

 

今回バンドの皆様が素晴らしかったです!!いろんな音楽の形はありますがやっぱり生のバンドサウンドってすごく楽しい!ということを痛感しました。ほんとみんな一生おいしいモノ食べてほしい。(もう食べてる…?笑)素晴らしい演奏をありがとうございました!すべてをほめたたえたいです。

あと尚ちゃんこそが神の使者です。以上です。とだけ書いて終わってもいいぐらい。あの、本当に素晴らしかったです。。歌うサックスとはこのこと!天才でしょ。改めて生で聞いたときその大いなる存在感に感動しました。一音なるだけで音楽の詞世界の解像度がぐっと上がっていきますね。尚之さま一生好きです。

 

 特に印象的だった曲について残しておきます。順不同。

 

涙のリクエスト

永遠のスタンダードナンバー。いろんな人がカバーしていたりして愛されてる曲なので、いろんな世界があると思うけど、今回聞けてわ!本物だ!って思った笑。私は初めて生で聞いたのですけど、ピアノの裏メロいいよね、ってのと結構情熱的な歌なんだって思いました。歌詞の内容はわりと切ないけど、その切なさが歌われることで甘酸っぱさに変換されていくのが素敵。大人のグラマラスさの中に失われない若々しさがある今のフミヤさんだからこそライブで絵になる曲でした。この曲に限らずだけど、多くの人にとって思い出の曲たちが演奏されたときの会場の特別な熱気を味わえたことはずっと心に残っていくと思う。

 

〇WE  ARE ミーハー

一番すごいのはこれが藤井フミヤさんとしては最新のアルバムに収録されていること。ライブによっては80年代に発表された曲のあとに演奏されたこともあったけど、同じテンションで会場を熱気の渦に巻き込んでいくのは凄かったです。これぞ藤井フミヤだと思います。単純にいい曲、というかすごい歌詞だと思う。ミーハーって必ずしもいい意味で使う言葉ではないけれど、ここまで楽しく描き切ったの、かっこいい!

 

〇この空の真下で

この曲がこのライブを象徴しているように(勝手に)思います。全体通して一番響いた曲かも。

<あの子の歌が聞こえてくるんだ 悲しみの真下で/あの子は誰に歌っているんだ ひとりぼっちで /あの子の歌が消えていくんだ この空の真下で/あの子は誰に歌っていたんだ 一人ぼっちで>てフレーズいいよね。音楽を聴くのにはいろんなきっかけがあるけど、一番単純で心に響くときって、自分で選んで聞くときではなくて、自然と歌が聞こえてくるときだなと思います。今回のライブはまさにそんなライブだった。悲しみの真下でさえも聞こえたあの子の歌に対するアンサーこそがACTIONだったのかもね。

 

 

 あと、今回のライブは以前のインタビューでフミヤさんが語られていたようにすべての人の”心を盛り上げる”、楽しいライブだったのですが、いくつかトクベツな曲もあったように思う。どうしても忘れられないので、この曲だけは記しておきたいと思います。

100Vのペンギンの衝撃:WAR IS OVER?

 今回のライブで一番の衝撃。生で聞いたときあまりの衝撃に崩れ落ちてしまうかと思いました。この曲がセトリに入っていると知ったのは昨年12月の配信ライブの時だったかな、これは何としてでも見に行かなければ死ぬまで後悔してしまうだろうと感じたのを鮮明に覚えています。この曲のために、チケットを買ったようなものでした。

私は藤井フミヤが怖いの、実は。どんな曲を聞いても、何度ライブに足を運んでも、「でもこの人100Vのペンギン書いてうたっている人なんだよ!?」がよぎる度に藤井フミヤというアーティストの深度と多面性に息をのんでしまう。人間的で誠実な愛と、グラマラスな夢を混ぜ合わせた世界を描きそれを音にする人なのに、<邪魔なアルミ玉チャリティボックスに捨て>る人にもなれるひと。<街は黒く濁った雨に打たれ>ている世界でただ<君の方がつらいね 君が僕をつくった>とうたうひと。<100Vのペンギンたちは不思議な電気仕掛けの夢を見る>のか?<僕を作った>君はなぜつらいのか? そして<僕>は誰なのか?―考えてもキリがないこの歌詞とサウンドにずっと心を奪われたまま、もうずいぶんと時間がたってしまった。私はこの曲を書いたチェッカーズと、藤井フミヤにずっと囚われていくのだと思う。そしてなぜ藤井フミヤに魅せられるのか?という問いの答えの一部はこの曲の中にあるのではないか、とも思います。チェッカーズという文脈でも、藤井フミヤの文脈でも大いに語られてほしい曲。

今回のライブでのパフォーマンス、あまりに素晴らしく、ただただ立ち竦んでしまいました。正直MC等々全く耳に入らなかったくらい。(ごめんね!)前曲のこの空の真下でーRolling My Stone(これもすごい曲)から100vのペンギンの演奏まで、ボーカリストであり、パフォーマーであり、アーティストである藤井フミヤの真骨頂を見たように思います。

フミヤさんってどんなライブでもエンターテイメント性を決して失わない方で、それこそが彼の実力なのだとも思うけど、今回の100Vのペンギンを見て、藤井フミヤがいい意味で最も遠い人に感じられた。我々が立ち入ることのできない、非常に特別な境地に達してしまった瞬間を目撃したような気持ちです。もう二度とこの感動は味わえないかもしれない。あまりにも圧倒的でした。

曲の終盤でWAR IS OVERと繰り返されるあの瞬間、何を考えていたんだろう。繰り返される強い言葉が、心に響いて離れません。何度も警鐘のように繰り返される言葉が、決してWAR(とされるもの)が終わっていないことを暗示しているような気も。聴いた人だけの解釈があるので何が正解なのかわかりませんが、このパフォーマンスこそが最も歴史的なことだと思った。藤井フミヤの秘める情熱と、詞の中に見え隠れする冷酷さとを芸術として昇華した歴史的なパフォーマンスを目撃できたことは一生忘れないよ。

 

 

ということで、本当に素晴らしいステージでした。毎回書いてるからほんとかよって思うかもだけど、これだけは書いておくね。今の藤井フミヤが一番最強です。

 

 アリーナ公演あるって!!!!

www.fumiyafujii.net

これ本当に本当にうれしかった。もしこのページを見てくださっている天使のようなお方で、まだ観ていないよ、という方がいらっしゃったら、もし状況がゆるすのであれば目撃者になられることを強くお勧めいたします。

 

私も(チケットと休みが取れれば)最大限の対策をしたうえで行くつもり。無事に開催されますように。

また一緒に遊ぼうね!

そして私は藤井フミヤによるACTIONの目撃者となった

先日3月22日に藤井フミヤさんのコンサートツアー2021を観てきました。

あまりにも素晴らしいステージだったので、覚書をのこしておかねば、と思い久々にPCに向かっています。

 

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私が最後に藤井フミヤさんのステージを見たのは2020年2月のこと。

 

moffumofumofu.hatenablog.com

 

東京池袋のシンフォニックコンサートでした。この公演も非常に感動的なもので、藤井フミヤの声と表現力はオーケストラさえも味方につけてしまうのかと感嘆のため息を漏らしたことを鮮明に覚えています。

藤井フミヤさんのライブの帰り道って、たぶん私の人生でベスト5に入るぐらい幸せな時間なのです。単純に、いい音楽を聴けたなという喜びはもちろん、通り過ぎる誰かが話していらっしゃる「今日(も)すごく良かったよね!」って言葉をきくこと、おいしいごはんをたべること(いいライブ終わりのごはんって何故あんなに美味しいの!)、そして何より、次の藤井フミヤは、私(達)に何を見せてくれるのだろう!という永遠に続くような期待感を胸に歩く帰り道。また遊ぶ日はいつだろうか、と考えつつ過ごす日が続くんだろうなとぼんやり思っておりました。

しかしながら昨年からの感染症流行による世界的な状況転換。自分自身社会人になって時間的ににも精神的にも余裕が持てないことが重なって、しばらくライブは無理かな―と自然と思っていたかも。

 

このような状況の中で、ライブの終わりにフミヤさんが投げかけてくれる“また遊ぼうぜ!”という強固な約束が揺らいでしまったような寂しさがありました。なんというか、自分も当然ライブ行けなくてさみしいな、つまんないなと思うことは多くあったのですが、、ライブを非日常体験として味わっている身ですらこんなにも喪失感を覚えたのに、音楽を生業として歌うことを日常としていた方々にとってはどれほど長く大変な期間だったのかと思うと大変胸が痛みます。

 

そんな状況下でしたが、試行錯誤を続けながらフミヤさんはたくさん音楽を発信し続けてくれていて!シンフォニックの公演はもちろん、新曲配信なんかも。

 


PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2020 Fumiya Fujii meets Tomomi Nishimoto

 

手のなるほうへ

手のなるほうへ

  • provided courtesy of iTunes

 昨年末にはすでにACTIONツアーのオンライン配信も!!

下手したら通常より多くない…?(藤井フミヤの通常とは?って話もあるけど、、)これってすごいことだと思う。こういう企画のたびに“守られたもの”も少なくなかっただろうし、何よりすごく楽しかった!すべてを追うのがわりと大変なぐらいの供給って本当に幸せだなーと何度もかみしめました。“また一緒に遊ぼうぜ!”は別に揺らいだわけでもなく、ずっと音楽の中にあったのが一番良かったよね。

 フミヤさんも含めて、この一年間音楽をたくさん届けてくれたアーティストの皆様に愛と感謝を込めて、ありがとう!!

  

とはいいつつ、そろそろ生の!音が聞きたい、藤井フミヤのライブが帰り道も含めて恋しいぜ…!となってきたので、慌ててチケットを入手しだいぶ強硬スケジュールでの参戦となったわけですが、本当に素晴らしいライブでした!大事なことだから何度も書いておきます。

 

今回のツアーは今までで一番歌をきいたライブ

一言でいうとこんな感じ。いやいままで聞いてなかったんかーい!って言われそう笑 無論そんなことはなく、今まで見させて頂いたすべてのライブで、彼の声を通してそれはそれは素晴らしい音楽体験をさせてもらったのですが、今回のライブは一番スッと歌っていいよなぁと感じたライブでした。私は演出掛かったライブが大好きなので(小室せんせーの教育ね、、)音響・照明・舞台セットに自然と目が行ってしまうタイプです。が、今回は相変わらず素晴らしいそれらの要素を差し置いてでも歌を聞いてしまったライブでした。 

今回のライブについて、フミヤさんは以下のように語られています。

――そんなライフワークの全国ツアーも、新型コロナウイルスの影響で延期となっていましたが、ようやくこの春から再開となります。もちろん万全な感染対策で、お客さんの人数制限や、歓声を上げられないといった制約はありますが、ファンにとってはなにより生でフミヤさんの歌を聞けることにすごく意味がありますよね。

フミヤ「そう。だから最初は静かに聞ける曲ばかりのツアーにしようかと思ったんですけど、逆でいこうと。ツアータイトルも『ACTION』なんでね。とにかく盛り上げる。お客さんは声は出せないけれど、その心を盛り上げたいと思ってます」

チェッカーズの封印を解いた藤井フミヤ…29年ぶりに「ギザギザハート」歌いたいと恩師に相談していた(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース

このインタビュー、私はライブ終わりに読んだのですが全部藤井フミヤの手の中じゃん!好き!!ってなりました。

スタッフの皆さん、そしてオーディエンスの皆さんの協力のもと感染対策は徹底されていて、表面的には非常に静かなライブなのですけれど、熱気的にはかなりアツい感じ。心で盛りあがる状態も自然と伝播していくんだなーってすごく面白かった。こういう表現は恥ずかしくてあまり使いたくないんだけど、歌のパワーってこういうやつなんだって素直に思いました。後ろ向きな日常の忘却じゃなく、楽しい時間から未来を前向きに考えるようなパワーをもらえるようなステージ!

フミヤさんは割とさらっと語られておられる印象でしたが、このようなライブ構成にしたの相当な英断だったのではないかなー。色々なチョイスがある中で、今回のライブを選んだのは、フミヤさんやその周辺の方々が一番音楽のエネルギーとパワーを信じ愛しておられるのからだと思います。

フミヤさんの凄い所、書き出したらキリがないのですが、私がこの3年ぐらい見た中でやっぱりすごいな、と強く思うのはあれだけの実力派でありながら一方的なステージでは決してないところ。もしかしたらわたしたち世代の方が(?)というか私がすぐアーティストを神格化してしまうので、個人的にはフミヤ様が歌っておられる…皆、心して聞いて…みたいな感覚はどこかにずっとあったりするんだけど、一方で“フミヤくん”(とたまに自称なさる)でもあるという。それって、彼のことを身近に感じる人たちが大勢いるから成立していて、やっぱりそれはコール&レスポンス的なライブにおける双方のコミュニケーションがあっての関係だと思います。今回のライブは今までとは違う部分も多くあって今までのコミュニケーションは難しい部分あるけれど、フミヤさん自身もやっぱさみしー(意訳)みたいなことはおっしゃりながらも“フミヤくん”であるように歌でもMCでもすべての人と向き合っておられて、本当にすごいと思いました!

2021年の藤井フミヤ、やっぱり旬!

毎回書いているけど、念のため今回も記述しておきます。藤井フミヤさん、超絶歌うまいです。

なんだろう……脂(あぶら)はのっているんだけれど、想像していたものとは違う脂なんだよね。新鮮な感覚はないけど人間味に深みが出るというか。(上記インタビューより引用)

それだわ!完璧な自己分析!まさに脂がのっている状態でどんな味付けにも合うやつ!中低音域の広がり方と尚之さまのマッチングが最強でした。私はバンド編成のフミヤさんを見たのが2年ぶり?ぐらいですごく新鮮でした。バンドスタイルだと、リズム感の良さとアクセントのつけ方が際立って本当に最高です。

 

 そして、様々なメディアでも報告されていたのですが、チェッカーズの初期の名曲たちがセトリに組み込まれているという。なんという贅沢!個人的にはチェッカーズは中期―後期こそが至高だと思ってきたので、初期の曲それほど思いいれないかな、とも思っておりましたが、生で聞くと全曲愛おしかった。意外な驚きでした。懐かしいなと思う方、ずっとききたかったよー!と思う方、そして初体験だわという思い、色々な思いがのって2021年の藤井フミヤによって色が付けられていく名曲たちは、見るというより歴史的なことを目撃するという表現がふさわしいのではないか、と感じるほどです。

CD音源だと(おそらく録音や音質の問題で)かなりアイドル歌謡よりの曲も、生で聞くといいグルーヴで格好良かった。バンドの皆様の技術もあってのことだと思います。

あと、これは本当に声を大にして、目立つようにして書いておくけど、藤井フミヤが現役のアーティストとして第一線におり、類まれな情熱と才能と愛情をもって今なお表現の追求者として輝いていることが、30年以上前のチェッカーズの曲と、最新のアルバム収録曲を並列されているとんでもないセットリストによって証明されたと思う。チェッカーズ懐かしくない皆さんにも本当に聞いてほしいです。マジでやばかったので。

どの曲とはかけないけど、本当に1曲、、いや2曲かな、、膝から崩れ落ちるぐらい衝撃だった曲があったので、またライブツアー終わったあたりで書きたいです…。

 

 尚之さま…!

尚ちゃんこと尚之さまのサックスでチェッカーズのリフ聞けるの、控えめに言ってここが楽園か??となりかけました。艶やかなのはもちろん、やっぱり藤井兄弟のグルーヴってロックも相当あるけれど、ビートに乗せつつ歌を届けることに特化していて、素晴らしいと思います。藤井兄弟と同じ世界線に生まれたの神様に感謝しときます。お席によっては尚ちゃんもフミヤ様も目に入るやば、、みたいなことになりかねないので皆様お気を付けください。

そして今回、尚ちゃんはもちろんのことバンドのメンバーも全員かっこよい!すごく幸せなステージでした!

 

www.fumiyafujii.net

 

今回のツアー、感染防止のために会場のお席半分の措置だったりしますが、ぜひ、色々な方に観てほしいなー。定価トレードなんかもあるのでご興味ある方はのぞいてみてね。そして語り明かしましょう、、語ってください、、

半分なのでなかなか難しいのかもしれないですが、今回のライブこそ一般発売たくさんすればいいのにー!武道館でやろうよー笑

 

 

そして、今週末、大変すばらしい音楽プログラムが放映されるらしいのでそちらも。

90分丸ごと藤井フミヤNANAだって!!どんな言葉か語られるのか非常に楽しみです。

www.nhk.j

F-BLOODの新作の話『Positive』のこと

え、もう8月が終わろうとしている…?2020年も上半期どころか3分の2が終わりかけていることに驚いてしまいましたが、本当に今更ながら、F-BLOODの最新作『Positive』の感想を残しておきたいと思います。

 

Positive

Positive

  • アーティスト:F-BLOOD
  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: CD
 

 サブスクもCDも 

このアルバムは2020年4月8日発売でした。もう4か月以上経っているのですね…自分のスピード感のなさに泣けてくるわ…という話は置いておいて、今作のうち3曲(ポジティブR&R,さりげない唄、最後の晩餐)がSpotifyApple musicをはじめとする主要サブスクでは3月4日に解禁されていましたね。CD発売の1か月以上前に出してくださるなんて!これけっこうびっくりした。昔でいうところのアルバムから先行して出すシングル曲のような感覚だったのかな?フミヤさんソロもそうですが、レコード会社が変わっても全部のアルバムがサブスクにあるのってすごくありがたい、しきっとこれからハマる人たちとのプラットフォームってサブスクが多くなるんだろうなぁ。サブスクにあるとやっぱり人にお勧めしやすいですよねー。私も3月からちょこちょこサブスクで聞いておりましたが、これはアルバムに入った時にどんな感じになるのかな、と期待に胸を膨らませておりました。

 

私はサブスクで気になった曲はCDも手にしてしまう派なのですが、2020年にCDを買う意味やメリットってどこなんだろう?と考えたりもします。そんなの実態あるものを手に取れる自己満足に終着するといえばそこまでなのだけど、やっぱりアートワークとクレジット表記がきちんと見れることは捨てがたい。ブックレットのたいてい最後にある参加ミュージシャンリスト見たときの私ちゃんとCD買った感はサブスク使うようになってからぐんと増しました(個人的に)。

今回の『Positive』Art Direction&DesignはIWATA ROOMさん。モノトーンでスタイリッシュにまとめられてすごく素敵でした。ジャケットのお写真もそうだけど、お二人のお召し物(黒スーツ)とかすごくシンプルなのに上質な質感が伝わる着こなし(やっぱ藤井兄弟は華があるぜ!)にブックレットのデザインが良くマッチしていて好きです!

IWATA ROOMさんは90年代からF-BLOODのデザインを手がけられているようで、フミヤさんソロや尚之さんソロと通じるとこもありながら、時代にあった藤井兄弟のクールな部分をプッシュされるアートワークを作られている印象。

公式HP(http://www.7stars.jp/index.html)内のリンク先で歴代作品のアーカイブ

www.7stars.jp

が公開されているのですが、けっこうハードでクール(語彙力…泣)なデザインを作っておられるんですねー。Mötley CrüeとかGNRが出てくる中に現れる藤井フミヤ/F-BLOOD、インパクト大で興味深かったです。こういうページ見るの大好き。

 

藤井兄弟の声質を楽しむということ

さてさて今回のアルバム、実は私にとっては初めて聞くF-BLOODだったのですが笑、初めて聞いたときの感想はおー結構音低めなんだなー!でした(語彙力…泣)特に藤井フミヤさんに関しては2019年リリースの最新作『フジイロック』が非常にフレッシュな音とボーカルだったのでその対比に驚いておりました。たぶん、音域的にはほぼ変わらないのですけど、(ちゃんとし検証したわけではないのですみません、)アレンジと楽器の感じ・雰囲気が多少違うからそう思ったのかな―。あと歌い方ちょい変えてる?ってちらっと思ったけどどうなんだろう。ともかくフミヤさんファンとしては、これは『フジイロック』も再度聞き直す必要があるわ!と思ったりしました。フジイロックに関してはリリース当時、あまりの若さ(これ、初々しさとも違う、色気があるのに手垢に全く塗れていない”若さ”)にほんとイヤ絶対あなた20代でしょ?知ってるよ私は…って思った記憶があるのですが笑、すごい作品なんですよね。なんというか<藤井フミヤ(29)(CV:藤井フミヤ(57))>みたいな感じ。CVとか伝わるのかわかんないけど笑、いい意味ですごくキャラクターチックだったような。話がそれてしまいましたが、今回のF-BLOODはなんとなくより等身大な感じでそれも良い!

そういえば今年シンフォニックライブ見たときにその低音の響きっぷりにすごく感動したのも記憶に新しい。今回のアルバムは結構低音の響きが聞けてこれはすぐにでもライブに行くべき…ってなりました。

ほーらすぐフミヤさまのこと書き連ねてしまう、、のですが、尚ちゃん!F-BLOODは尚ちゃんの声がすっごいいいんですよぉ…ということを再認識致しました。私の中での尚之さんって比較的クールなイメージ(これもちょっとフミヤさんとは違うクールさなんですけど!)だったので今回でいろんな一面を見れてより好きになりました。(まだまだ初心者ファンなので勉強中ですが…)歌い方、兄弟で似てるとこもあるけど(アクセントのつけ方結構似ているような印象を受けます)声質が絶妙に違っていて面白い。F-BLOODってお二人ともリードボーカル取れるとこほんと強いしアルバムでも曲ごとで景色が変わっていってエンタメ性高いよなぁ。

 

私がいろいろ書くより一度聞いていただくほうが4億倍速いと思うのでぜひ聞いて、藤井兄弟の声質の豪華さに感動してください…!

open.spotify.com

 

一曲ごとの感想とか書いてみたりしとく笑これで私もCDれびゅあーになれるね!

 

01君をさがしに

これは朝の番組のタイアップ付きだったので耳にされた方も多いのかも?F-BLOODの今回のアルバムはこの番組からの依頼がきっかけにもなったとオリコンのインタビューでも語られていました。土曜の朝って感じがするよね。テーマは<人生は君を探す旅>とのこと。ちゃんと旅番組っぽさも土曜ぽさもあるし、独立したポップスとしても聞ける。藤井兄弟、タイアップにお強い!そして冒頭から尚ちゃんの幸福感あふれるサックスから始まるの、自然とポジティブになれます。サックスってギターのように細かいリフとは少し違う使い方ができるんだなぁってチェッカーズを聞いても思うのですが(ていうか私はサックスが常に入っているアーティストをあまり聞かずに来てしまったのでサックスの面白さを教えてもらったのはチェッカーズであり、尚之さんでした!今更ながらありがとう)、今回のアルバムは比較的シンプルな生バンド的な音構成ゆえにサックスがすごく印象に残りますね。<遠くへどこまでも>のところの声の重なり具合がさっそくクライマックスで素敵。

こういうの聞くとじゃあシニカルな作品のタイアップとかついたらどんな音作ってくれるんだろ??ってちょっと思ったりするけど(そういうのちょっと聞きたいんですよね…!みんな藤井兄弟にいろいろ外注してくれないかな…)

02 君は太陽

日曜日に聞きたい曲。詞は韻を踏んでいて面白い。聴き所はBメローサビの声の重なり方だよね!藤井フミヤの上ハモ好きな人は絶対好きなやつです。こういう重なり方、たぶんF-BLOODの得意技。

03遠い昔の話

初めて聞いたときは、さすがに私の年齢でこういう内容が染みるのはちょっとはやいというか、想像上の感動で満足するのはもったいない気がして遠ざけていたのだけど、ブックレットの歌詞をみたらいろんな世界が広がって面白かった。詞の内容はタイトル通り過去を振り返るもの。だけど時間や年代を想起させるワード(学生時代、とかそういう、時間を限定するようなことば)が全然ないのがすごい。強いて言うなら<手作りのビーズの指輪>はそれに類するかもしれないけど、ビーズっていうのがなんとも。すごく幼少期の思い出かもしれないし、大人になって軽い冗談と愛の形で贈ったものかもしれないし、って考えだすとどこまでも広がっていく。そしてすべての人に寄り添う曲でもある。面白い歌詞でした。

 そういえば、ビーズの指輪ってチェッカーズのふれてごらんでも出てくる言葉ですけど、何か特別な意味でもあるのかしら。こっちも作曲尚之さんですね。そういうとこも考えるとまた面白いものが見えるかも。

 

04全速力

この曲、すぐにポカ〇スエットのCMで使えるじゃん!って思いました。夏の日に入道雲背に聞きたい曲。でも歌詞がすごく大人で、そういうとこが今のF-BLOODの面白さ。サビだけとるとほんと10代じゃんよーってなりながらも、もっと大人になった人にも通じることばたちが素敵です。Aメロは尚之さん、Bメロからはフミヤさんがリードになるという歌いわけもたのしい。ほんとフミヤさんの声ってすごく抜けがよいというか、風のように気持ちよく吹き抜ける高音をアクセントとともに出せるのがすごく好き。尚ちゃんの声ってすごくマイルドでコーラスのうまさは言わずもがなだけどAメロにあると自然と耳が持っていかれるのですごく魅力的。

 

05 ファイト!

みんな頑張ろうね、まじめに笑 いやほんと冗談じゃなく、応援される機会って大人になればなるほど減る気がするけどそういうとこ音楽で補うのって大事ですよね、私も今年から社会人になったのですごくしみました笑 個人的には、あんまりストレートなポップスを聞いてこなかったのでこういう曲になじみがなかったのですが、意外とさらっと聞けた。押しつけがましくなく、じゃあやるわ…!ってなる感じ。隣で一緒にやってくれるような歌詞が、尚ちゃんがリードボーカルゆえに生きてる気がします。

 

06 最後の晩餐

これは完全にやられたなー!って思った曲。この曲を先行公開したの本当に最高に市場をわかっておられる…!こういうシチュエーションを歌わせたら藤井フミヤに勝るボーカリストなどいない。本当に素晴らしい!曲調やジャンルでカテゴライズできるアーティストは多くいらっしゃると思いますが詞の内容のシチュエーションでカテゴライズできるボーカリストってあんまりいないのでは。というか、私は藤井フミヤさんしか浮かばない。とにかくフミヤさんの表現力の高さにしびれる4分41秒です。全員聞くべし。この曲はホールでのライブでも聞きたい!尚ちゃんのサックスのいいとこが全部出てるわ…!って間奏を経てのラスサビでコーラスと重なるとこはこのアルバムで一番の聴きごたえポイント。最高。

 

07 二十六の朧月夜
<サヨナラはカタカナだった そのその後は文字が無く 二つ折り メモの残り香 曖昧な文>  冒頭の歌詞だけであーこういうのほんと上手いですよね…ってなりました。キャッチコピー的なのはほんと上手いわ。歌いだしからギターのアルペジオっぽいやつの上に響く藤井フミヤ様の低音!すごく良いです。生で聞いて絶賛文を書き散らかしたい。鍵盤系と管楽器が徐々に重なるアレンジも好き。大人の恋ってこういう感じなのかな?

 

08 One by One

Aメロとかすっご若いな…!って驚いた曲。この曲もタイアップ候補だったそうで朝の匂いがする。フミヤさんのファルセットの出し方いつも丁寧で好き!一音一音が朗らかでかわいい曲。こういう曲はたぶんライブで楽しいやつ。

 

09 さりげない唄

すごくシンプルな歌ですけど、(さりげないともいう)こういう曲とか歌詞って本当にうまい人しか作れないような。照れとか甘酸っぱさを経験して凌駕した先にある表現力。間奏のシンセの音がめちゃくちゃいい。

 

10 ポジティブR&R

アルバムを象徴するような一曲。最後にこうまとめるかー!ってなるぐらいわかりやすいポジティブです。ボーカルも結構ライブ感あって素敵!今回のアルバム、ほんとそのまま生で演るのをすんなりイメージできるつくりになってますね。バラード的なのも入れつつ、R&Rで閉めるとこがF-BLOOD!

 

というわけで、全編を通してライブに結びつくような内容でした!わーライブ行きたい。残念ながら予定されていたツアーは、コロナウイルスの影響で全公演中止になってしまいましたが、なんと50分越えのリモート(!)ライブが公開されています。これすごく太っ腹。


F - B L O O D 「R e m o t e L I V E 2 0 2 0 」

これ、無料公開で大丈夫…?ってなるぐらい普通にがっつりライブでびっくりした。音質もすごく良い!

なかなか音楽業界には難しい状況が長期間続いており、寂しい日々ではありますが、こうしてあたらしい音楽の形が配信されていくことが大きな希望になっています。本当にありがとう!

フミヤさんのYou Tube、ファン層のニーズも満たしつつ、最近ファンになったひとにもいろいろな面をみせてくださるという非常にうまい使い方がなされていてついつい見ちゃうなぁ。

 

私も追えてない部分もたくさんあるのですけど、こんな状況の中コンスタントに活動してくださることがすごくうれしい!また見に行けるようになるのを楽しみにしつつ、今だからこそアルバム作品をじっくり聴いていきたいと思う今日この頃です。

 

追記:今回参照したインタビュー

kyodo-osaka.co.jp

www.oricon.co.jp

オリコンさんのインタビューは全曲ミニ解説もあるのでおすすめ!

 

 

大土井商店行ってきたー

ブロガーのすなるグルメリポートなるものを味音痴のわたくしもしてみむとしてするなり。

ずっと気になっていた大土井商店に行ってきました!
チェッカーズのベーシスト、大土井裕二さまのお兄様が営んでいらっしゃるお店です

福岡天神からバスで30分ぐらいの福岡市南区にあります~
(西鉄の最寄り駅は大橋駅みたいですが、せっかくなので天神まで行ってしまった)
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最寄りバス停から歩いて1分ぐらい、大通りに面していてわかりやすい💐


お品書きはこういう感じ!いっぱいある~
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福岡市だと回転焼って呼ぶのかな、私はかいてんまんじゅうって呼ぶけど


生クリームどら焼きをチョイス。
冷凍だと1ヶ月もつそうなので遠方の方もぜひ

中の画像ない(ごめんなさい、、)けど生クリームたっぷり!生クリームとあんこの比率は8:2ぐらいかな?
生クリームがくどくなくていくらでも食べれるわ…!って思う味でした。クリームの粘度が高い?(言い方これであってるのかな…)のでどんな食べ方しても全然こぼれないところも素敵。おいしかった~!!
皮はわりとしっかりしてる。あんこはつぶあんです𓅪
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お店の中には大土井裕二様のポスター!
ひょえ、、ほしい、、
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チェッカーズの本(1985年に出版された集英社コバルト文庫の写真集)がありました
めちゃくちゃ可愛かったです、、この本ほしい、
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ポスターマジマジと見てしまってなんか挙動不審だったかもすみません…
美味しかったのでまた行きたい!

家からの行き帰り(往復3時間)で大土井先生の作曲プレイリストを聞いていたのですが、ゆーじさんの曲ってチェッカーズの1番かわいいとこと1番上手いとこを上手くプレゼンしたような楽曲だなぁと思っておりました。大土井先生ほんとに推せる。

武内享さん:That's The Checkers!

ギタリスト・武内享氏を初めて生で見たのは、冬のライブハウスであった。漫画におけるハンサムボーイが名札代わりに纏う毛皮のコートを着た武内氏は、スターの登場に沸き立つオーディエンスの間をさっそうと抜けてステージに立つ。「チェッカーズ武内享、行きます!」と高らかに宣言した氏の手によって、おもちゃ箱のような魅力を放つチェッカーズの楽曲たちが次々とプレイされる。アルコールの香り、煙草の匂い、そして時を越えて輝く楽曲たち。こんなに楽しい時間があるのだから、大人になるのもそう悪いことじゃない。誰よりもよく笑い、よく喋り、チェッカーズを愛している少年のような武内氏を見てそう思ったのであった。
 楽しいライブはあっという間である。そしてたいていは終わった瞬間に泡沫のように消えていく。ただ気持ちの良い余韻を残して。Standing on the rainbowと名付けられたこのイベントも、虹のように鮮やかにきえていった。振り返って覚えているのはただ楽しかった、というシンプルな感想だけである。
 しかし、一つだけぼんやりと―いや、やけにリアルに覚えていることがある。武内氏がステージ上で自前の靴をさし(その靴はやたらと底の厚い立派なものであった)、「今日は靴おろしたてだから、ちょっと足がいたいのよ」と言い放ったシーンである。私が愛したミュージシャンはMCでやたらと悪夢の話をしたり、何も話さなかったり、まぁとにかく演出がかった言葉を話す人ばかりであった。ミュージシャンというのは、そういう言語を喋る人であるという認識を持っていた私は武内氏の言葉に耳を疑ったのである。まさかまさか。靴とか。確かにおろしたての靴はいたいけれども、である。変わった人もいるもんだなぁ。
と、ここまで書いてみて、このシーン実は私が見た夢だったかもとちょっと疑っている。ステージで足が痛いって話しする?でも享さんならしそうではある。ていうかむしろ積極的にするような。
 というわけでどこまでがほんとでどこまでが夢か、すべて現実なのかわからなくなったところで(これ単純に私の記憶力の問題な気もする)チェッカーズの愛すべきリーダー・武内享さんのことについて書こうと思います。

 In the beginning, there weren’t nothing but the music

 チェッカーズの魅惑の音楽性のはじまり。チェッカーズに関する本格音楽評論待望論は正直一生でまわってそうだなぁと思うのですが、このバンドのすごさってそういうところ。多少語ったところで結局すべてではない、という奥深さを生み出したのは紛れもなく武内享さんの音楽的ルーツの幅の広さにあったと思います。

佐々木美夏さんのインタビュー集『14歳』によると、享さんがいろいろなものに目覚める14歳ごろに熱心に聞いたアルバムとしてQueenの『A Night at the Opera』(1975年)、John Lennon『Rock ’n’ roll』(1975年)、Paul McCartney『Ram』(1971年)が挙げられていますね。Rock ‘n’ Rollとかはいかにもお好きなんだろうなってアルバム。
注目すべきは以下のお言葉。

チェッカーズの他のメンバーはキャロルの解散コンサートの映像に大感動して明日ギター買うしかない、みたいな感じだったけど俺はもうちょっとゆがんでいて、ロックンロールはビートルズでもう聞いた気がしていて。スタイルとしてはかっこいいなと思ったけど、そこで音楽に衝撃を受けたって感じではなかったもん。だからく~ってなっていくことに怖さを感じてたのかもしれないね。
―だからアウトプットのスタイルの一つとしてロックンロールをチョイスした。
うん。だからメンバーとは違うものを聴いてた。本当に音楽だったわ、俺。バイク乗ったりもしたけど、やっぱ音楽だったんじゃねえかな、ずっと。


佐々木美夏『14歳』135P

チェッカーズの他のメンバーのインタビューでは、キャロルやドゥーワップ系の音楽に関するお話が頻出するのですが、これらの要素に加えて「メンバーとは違うものを聞いていた」享さんの音楽感覚がチェッカーズの結成初期からバンドの後期にわたって大きく影響を及ぼしているのかと。このバンドが王道のポップさを持ちながらも、その裏側で意外性の攻防を繰り広げていたのはこのルーツの複雑さからくるんだろうな。

ここら辺の時代の空気感誰か解説してくださらないかな。我々の世代でビートルズとかジョンレノン聞いてる子なんてかなりの音楽好き!って子だけだった気がするけど当時はスタンダードだったのかな?)


享さんは「真ん中が嫌だった」サブカル派だったそう。中学生時代にやっていた遊びに関するエピソード*1など、すごく面白そうだし、享さんって演出好きなんだろうな、と思います。
あとすごく、享さん“らしいな”と思ったのがこのお話。

いろんなのが入ってきたけど、でも出口としてロックンロールを選んだっていう。俺はチェッカーズを組む前のほうがもっとギタリストらしかったから。ツェッペリンをコピーしたり、ディストーションエフェクターを買ってサンタナ練習したり。でもその頃に、俺は病んだ。内側に病んだかもしれない。だからなんだろう危ない系じゃないけど……これは初めて話すけど、何かを聞いて異常に感動して、このよさを誰かに伝えたいって舞い上がっちゃって、これが人に伝わらないくらいだったら死んでやる、みたいな。(中略)
―この価値観を共有できないんだったら、もう自分が生きてる意味がない、みたいな?
 意味がない、うん。俺はそういうとこがあったんだよ(中略)とにかく、何かに関してく~っと内面に向かうような感覚はあったよね。

 

佐々木美夏『14歳』、134P。

ミュージシャンのひとが、心を揺さぶられる音楽に出会った時の衝撃を語っているのを読むのが好きなのですけど(こういうエピソード見るたびに、ミュージシャンって本当に感性が研ぎ澄まされているなぁって感動する)、“伝わらないぐらいだったら死んでやる”と思っていたというお話は結構珍しい気がします。自分も同じぐらい感動する音楽をつくりたい、とかプレーヤーとして少しでも近づきたい/超えたい、とかとはちょっと違う、このよさを誰かに伝えたいというスタンス。どれだけバンドが大きくなろうとも、リスナーに届いているか?を問い続けていらっしゃったのはこういう、伝えることに対する情熱からくるものだったのだろうと思う。

 

And He “Created” the Checkers

高2の夏やったね。久留米一のバンドば作ろうって、享と盛り上がってたのは。ー郁弥

月間カドカワ1992年7月号31P

チェッカーズが始まったのは1979年の夏のこと。“久留米一のバンド”を目指して享さんが声をかけたのが藤井郁弥だったという。この時期のストーリーもすごく面白くてチェッカーズを映画にするなら、絶対予告編でコミカルに使いたいエピソード(クロベエ加入の件とか)多数なのですが、ここで「一番先に声をかけたから」*2リーダーが享さんになったのは幸運だし、必然的な気もする。
そして、当初の“久留米一のバンド”という目標というのは、「ただのダンスパーティー専門バンドじゃ面白ないね、踊りよう連中を座らせてやろう、こっちを向かせてやろう」*3というものだったとのこと。これ、どうしてそういう発想に至ったのかすごく気になる。メンバーの全員がダンスパーティーに関して楽しかった!ということを語っているイメージなのだけど、一時的なムーブメントにある音楽、からバンド固有の高い音楽性(おおげさな気もしますが笑)に目覚めていく過程のこととか詳しく知りたい、、
ちなみに、初期のチェッカーズの印象について、マサハルさんは以下のように語っています。

俺は友達とほかのバンドを組んでて、チェッカーズと一緒にダンスパーティーに出たこともあって。そのときにチェッカーズは赤い蝶ネクタイで白シャツに黒ズボンはいとった。で、やっしゃん(郁弥)が「スタンドバイミー」を歌ったときに、それまで踊ってた人たちがみんな座ってきいたわけ。その光景が印象的やん。初めてやん。ダンスパーティーで座って聴くっていうのは。これは凄いバンドがいると思った

月間カドカワ1992年7月号31P

 
このエピソード結構歴史的なことだと思うけど、郁弥さんは全く覚えていないという。そういうとこ、ちょっと“らしい”よね笑 

あと「このバンドをつくった」人として、武内享を語るときに、もちろんチェッカーズを誕生させたという点で語るのは当然あるんだけど、もう一つ、チェッカーズの音楽をつくった人としてのことも語る必要が大いにあると思います。
チェッカーズ解散時のインタビューの以下のお言葉を深く受け止める必要がある。

―常に努力してましたもんね。
音楽は好きだからね。
―個人的にね。
うん、だから、別に説明とかしなかったけどコンサートの楽屋にCDいっぱい持っていて流してたね。
―それとなくみんなの耳にアピールしてたんだ。
それで興味示したヤツには買えば?って。強制はしなかったけど絶対。ただ徳永には聞いてくれってわたしてたけど、いっぱい。オマエ、聴けとか言って。

 

解散時のインタビューより

チェッカーズ写真集454P(ソニーマガジンズ

いいですか、皆さん、ここテストに出ます!今後チェッカーズの音楽性を語る人は必ずこの発言を前提にして考証を重ねるように!
武内享を抜きしてチェッカーズの音楽を語るということは、なんだろ、スパイスが全く入ってないカレーみたいなものなので(それってカレーなのか?)、皆さん注意してください。

ということで、まぁ本当に大きな役割を果たしていらっしゃったわけですが、けっこう中期―後期のインタビューでは、武内さん自身がプロデュースに興味を持っている旨のお話があったりしてそういう方面の目線は常に持っていらっしゃったんだと思います。
でも興味深いのは、いわゆる有名プロデューサーの人たちとはちょっと視点が違うかなってところ。うーん、難しい話なのですけれど、(プロデュースといっても色々あるので)、例えばファッションとかあり方の部分についてはそれぞれがやる(=イメージの構成はしない)点と、絶対にこうして!という指示でなく、見えない道を示すような透明のプロデュースという点は、享さんらしいなと思う。あと本当にプロデューサーの人たちって売れるためにという視点をどこか必ず持ってる気がするのですが(大事なことだからね!!)そういうことでなく、みんなが個性を生かす場を作っていくことに重きを置かれていたのかな、と思います。この辺の話も詳しく知りたい。

 

And the band just begun to roll, Did you ever hear his guitar sound?

1983年のデビュー後、チェッカーズはスターダムへと駆け上がっていく。ポップスの歴史の一ページとして鮮やかに語られるストーリーですが、その裏でメンバーはサウンド面とバンドの在り方について模索していたのが非常に印象的。まぁ悩みのないアーティストの方はいないと思うけれど、チェッカーズの悩み方ってちょっと特殊かもしれない。特にいわゆる初期の終わりかけ(NANAがリリースされるまで)の時期に関しては、すごい大変そうだなぁと思いました。(雑)
一般的に、売れるために悩む人たちって多いと思う。一応ヒット曲の傾向というものはないわけじゃないので、人によっては市場研究すればどうにか、ってアーティストもいたりするわけですが、チェッカーズは最初にとんでもなく売れてしまっていて、そこからどうオリジナリティを出していくか、みたいなことを追いかけていた。こういうのは研究しようもないし、本当に自分たちでどうにかしなければならなかったんだと思う。

あんまり細かくは言いたくないから言わないけど、やっぱ煮詰まってた時期は相当あっったわけで、自分たちのシングルに変わる変わらないくらいの時期は、やっぱりもめたりもしたし、そのあともちょっとヘヴィーだったね

解散時のインタビューより
チェッカーズ写真集452P(ソニーマガジンズ

リーダーであって、オリジナルサウンドの中心であった享さんはとても苦悩されたんだろうなぁ。
で、その苦悩を経て初のメンバー作詞作曲12thシングル『NANA』の発売(1986.10.15)、全曲オリジナルナンバーの5thアルバム『GO』(1987.05.02)になるわけですが、チェッカーズの初期/中期・後期のサウンド面の違いとして大きいのが享さんのギターだなって私は思います。
 初期、とりわけ初期三部作(絶対・MOTTO・毎日チェッカーズ)におけるギターって、(個人的には)そんなに印象深くない、なんというか引き立て役としての、ポップスにふさわしいギターというイメージなんだけど『GO』以降では、リズムを刻む印象的なギターサウンドになる(気がする)。チェッカーズが中期において獲得したオリジナリティって、享さんのギターをどう生かすかにすごく大きくかかわっていたんじゃないですかねー。

本当は俺、ギターに執着がない人間なんです、変な話が。
やっぱ基本的にギターじゃないです、俺のギターは。パーカッション。パーカッショナルが好きなの、絶対。
ひとつのパーカッションであり、リズム隊であるような弾き方をついしちゃうんですよね。


THE CHECKERS PATi▷PATi FILE 1987-1989 282P 

初出PATi PATi1988年1月号

CD音源に関しては、享さんご自身のこの言葉がすべてに感じるのだけど、それなのにライブだと意外とソロとして魅せるプレイだったりするのがまたおもしろい。
享さんの傑作プレイに関しては『GO』以降のアルバムを全部聞いてくれよな!って思うけど、やっぱり印象的なのはTOKYO CONNECTION(GO収録)とかですかね。あとこれはリズムギターともちょっと違うかもしれないけど一週間の悪夢(OOPS!収録)のA~Bメロは細かくまとまってるアンニュイな感じがすごく好き!

 

Ever hear his music? Doin' crazy things

作曲者別のプレイリストを作った時、ダントツでバリエーション豊かで楽しい!のが享さん。とんでもなく大雑把に分けると、TOKYO CONNECTION,90’s S.D.RとかHow’re You Doing Guys?のようなライブ映えする曲(後期のライブにおける享さんの曲の光り方はすごい、しアレンジ映えする曲が多い)もあるしSmiling like Childrenのような色っぽい曲もあって、という感じかな。チェッカーズが誇る素晴らしい作曲家陣4人の中では一番らしさの色をつかみづらい方かも。
個人的に好きな曲は、たくさんあるのだけど、そのままで(I have a dream収録)
とか。こういう曲は表現力がないと歌えないし成立しない楽曲だと思う。みんなすごいんだけどサビでピアノと呼応するギターとボーカルのメロディラインが傑作。
作曲について興味深いお言葉がエッセイの中での以下の文。

私にとって作曲とは何か?
実はそんなムツカシイ事、考えたこともなかったのだが、そう、強いて言うなら、人格を変える事、つまり自分以外の人間になりきるコトだろう。つまり、例えばファンキーな曲をつくろうと考えとする。そしたら、私はその時点で自分の気持ちをアフロヘア―の黒人にするのである。そしてそのまま、フロに入ったり、皿を洗ったり、鏡の前で踊ったり、「ヘイメーン!などと叫んだりする。
そう、確かにバカみたいだが、そうして気持ちを入れてやるとノリのいい曲ができるワケだ。

 

武内享『だんだん気持ちよくなってきた』141P

初出1989年9月号掲載 人格と作曲より

引き出しから出すタイプというよりは憑依型(引き出しも多そうですが)なんというかかなりフリーダム!な印象ですが、それってたぶんチェッカーズに対する夢と信頼が非常に大きかったゆえじゃないかと。バンドに対して固定観念が強くあったらある程度バンドが得意な曲調の曲を作るひとがほとんどだと思うけど、享さんはあまり固定観念は持たずチェッカーズならこれもできそう!って考えていたのかな、と感じます。まぁ他のメンバーもそういう気持ちはあったと思うけど、享さんは特に。
あと、特筆すべきはシングル30枚のうち、享さんがB面を担当しているのが12枚もある!ということ。(参考までに各メンバーのB面曲数:ユージさん5曲/マサハルさん5曲/尚之さん3曲)ファンのみならず世間の人々に向けてリリースされていたシングル曲(A面曲)にはスタンダードな曲、スターとしてのチェッカーズらしさが現れた曲が多い中、その対照的な存在でありながらもキャッチ―さを有し、そしてチェッカーズ自身の新たな一面を提示するのにぴったりだったのが享さんによる楽曲だったのでしょう。
一曲挙げるならばPARTY EVERYDAY!これは当時享さんのエッセイでも触れられていたりして、相当挑戦的な楽曲でもあるんだろうけど、抜群に面白いSEの入れ方とあえてコミックチックなボーカル陣はチェッカーズのワクワク感の真骨頂。そして皮肉のホイップクリームみたいな歌詞とエンディングが傑作!全員ダウンロードすべき1曲。

あと『WのCherry Boys』とか、カートゥーンネットワークみたいな雰囲気曲もあれば、『今夜は何処へ送りましょうか』のようなおとな!な曲もあるのでほんと面白い。B面集はほぼ享さんのベストアルバムと言えなくもないのでみんなサブスクなどでも聞いてね。

mora.jp

ACID RAIN-Baby, that is the Checkers!

チェッカーズ研究界隈において最大にして永遠のテーマである?武内享藤井郁弥の存在についてはまた書こうと思っているんですが、ここではおふたりの唯一の共作詞であるACID RAINについて触れておきたい。

当時歌詞づくりに行き詰った郁弥さん(郁弥さんはわりとどのアルバムでも書くのに時間を要していた印象笑)が、本(『だんだん気持ちよくなってきた』)を出版していた享さんに声をかけて共作したというもの。大枠は享さんが書いて、郁弥さんは歌いやすく手直しした程度らしい。
享さん曰く、「大土井さん(※作曲の大土井氏)もビックリという曲」「初めて否定的な歌だよね、最後バカになっちゃう歌だからね」とのこと。*4
名盤OOPS!の冒頭を飾るナンバーで、世間のイメージとしてのチェッカーズとはかなり離れたとこにある曲かもしれない。けれど、私は(個人的にですが)、“チェッカーズism”が最も表れた名曲の一つだと思います!すごく好きな曲!

歌詞全部かくの面倒なので一部だけ引用しますが、ぜひお手元のブックレットもしくは歌詞出てくる文明の産物で全てのことば味わっていただきたい。

ACID RAINがしとしとしとしと
軽く指先ボタンに触れた
前後左右なにもない
朝も昼も夜もない
笑おうぜ腹を抱え
鎧を溶かす雨に打たれ
笑おうぜ涙垂れ流し
今さらNever Try Again!

笑おうぜ腹を抱え
答えを流す雨に打たれ
笑おうぜ手をつなぎ今は
笑おうぜ腹を抱え
鎧を溶かす雨に打たれ
笑おうぜ涙垂れ流し
今さらNever Try Again!

 

チェッカーズ/ ACID RAIN

 

Acid Rain(=酸性雨)は、当時から幾度となく警鐘を鳴らされてきた環境問題なわけですが、憂いと恐怖と、空虚な気持ちで出来上がった混沌から生まれる皮肉めいた冷たいエネルギーを、どこか無機質なハウスサウンドに乗せて表現したのは本当に見事。
そして、サビで繰り返される“笑おうぜ”、というセンセーショナルなメッセージは、享さんのエッセイ『だんだん気持ちよくなってきた』の最終回に書かれているものと、とても通じるものがあるように思います。

というわけで、最後に私にとっての「だんだん気持ちよくなってきた」とは何だったのかを書いてみたい。
先に書いたように、確かにその時私のまわりで起こったことや、私が感じたことを書いていただけで、書いていくうちに自分がだんだん気持ち良くなればいいやと思っていた。で、そういうものというのは、ヘタするととてもマスターベーション的なモノで、他人に言わせれば「へえ、そぉ」で終わるのかもしれない。
しかし読者にわかって欲しかったのは、ゲーノー界という特殊なフィールドにいる私が、その立場を利用し、または反抗し、ある時には自分で皮肉ってここまでやってきたということ。そして人にはいろんな生き方があるけれど、ちょっとしたバカらしいことでもそれがもしイヤなことだとしても、逆にそれを自分なりに笑ってすませることができれば、楽に生きていけるんじゃないかな、ということなのだ。

 

武内享『だんだん気持ちよくなってきた』

この曲における笑おうぜ、という言葉は混沌への迷いとただの蓋かもしれないけれど、その反面それは楽に生きるための手法でもある。そして気持ちよくなるための手段である。挑発、反抗、あきらめ、いろんなメッセージも込めての言葉としての歌詞。曲の解釈はリスナーの数だけあるでしょうけど、とにかくここで“笑おうぜ!”って発するのはチェッカーズらしさのある種の結晶だと思います。
"チェッカーズism"というか、わかりやすく言うとチェッカーズらしさとかチェッカーズの流儀ってこのあたりの精神性なんじゃないかな。
 困難な状況、もしくは面倒なことにであったときにそれを笑おうぜ、に変えられるパワーこそがチェッカーズのすべてのメンバーに最初から最後まで共有されていたことなのでは。この人たち逆境につよそうだし。(どういうイメージなんだ)遊び心と強さが武器な人達。


あと唯一1991年のWHITE PARTYのテイクが映像として残っているの、この世の最も感謝すべき事案の一つだと思います。
このライブは、(ていうか後期のライブなんてみんなそう)チェッカーズの音楽へのパッションと優れた演奏技術、冒険的なライブ演出、培われ磨かれた表現力の集大成として褒めるとこしかない。

で、問題の(?)ACID RAINに関していうと、みんなの愛するクロベエのドラムでBPMあげるアレンジはずるい(そんなの優勝するにきまってるじゃん)、リズムパートに近い役割でのせてくるのにサックスと絡みだした途端に混沌の演出として光る武内享のギターパート(ギターソロも最高!)、大土井先生の正確かつチェッカーズの艶やかさの本質であるベース、全編見せ場だけどサビの裏メロと間奏部でのギャップが素晴らしい尚ちゃんのサックス、そしてCDテイクのカウントはやんないのかーい!って思わせておいてボーカルの戦闘力を4億倍にするマサハルさんとモクさんのコーラス(これ二人でやってるなんて信じられない、絶対5人ぐらいいる厚み)が重なっているので、もうほんと90年代日本の音楽シーンにおけるレガシーだと思うの。あ、藤井郁弥?あの子は言うまでもなく天才!以上!って気持ちになります。最高。

リンク貼っておくので全員DVD買ってください笑。

 

 


WHITE PARTYは全編リマスタリングして即刻映画にすべきだよ…40周年でやってもいいんだよ、ポニーキャニオンちゃん!


というわけで、また長く書いてしまった。最後に、夢と愛情が詰まったこのお言葉を。

チェッカーズは7人じゃないのよ、で9人でもない。スタッフもみんな入ってみんなでチェッカースっものをつくってきたと思っているから。もう既にオレの手元にもないなという。そういう意識があったよね。でもそれでいいんだっていう。いい形で盛り上げっていければ。(中略)本当に、バランス取れてるよ。強力なユニットだと思うね。表現できないものはないもん、このメンツがあれば。サンバだろうとオーケストレーションだろうと何でもできちゃうね。

 

解散時のインタビューより
チェッカーズ写真集452P(ソニーマガジンズ

チェッカーズは最高だし、享さんがリーダーでよかったなぁと思いました。おわり!

 

時系列に沿って研究するの絶対やりたい。。。また描きます

 

*1:“マンボ”ムーブメントー『14歳』では詳細に語られているので是非ご一読を。

*2:THE CHECKERS PATi▷PATi FILE 1984-1986 18P

*3:月間カドカワ1992年7月号31P

*4:ベストヒット1990年9月号141Pより。

藤井フミヤのシンフォニックライブをお勧めしたいという話

いやー本当に毎日寒いですね。今年は暖冬だから例年よりは~とかあんま関係ない、寒いものは寒い。ただでさえ出不精なのに、さらにおうち大好きっ子になっている私ですが 、久々に藤井フミヤさんのライブ、PREMIUM SYMPHONIC CONCERT2020 藤井フミヤ meets 西本智実に行ってきました!
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公式サイト☞
billboard-cc.com


とても上質で贅沢な2時間半でした!案の定すごく良かった、、、やっぱりもう一公演行きたい…ってなったのでこれから行く方は色々な意味で気をつけてください…笑
一部の公演は若干チケットがあるようなので、もし迷っている方がいればぜひ~!
ということで?私が今回のライブで感銘を受けた・とてもおすすめしたいポイントを残しておこうと思います。

ボーカリスト藤井フミヤの美しさ

今回のライブの感想を1文字でいうと'''美'''につきます。まぁフミヤさんは本当に美しくてーといったことは今まで散々書いてきた気もしないでもないのですが…改めて藤井フミヤって最高のボーカリストだわ....!って感じました。

藤井フミヤってほんとにいい声だよねー!って言葉が巷に溢れ出してはや36年目。今更言うまでもないけれど、本当に素晴らしい声。今回のライブでかなり印象的だったのが声質の良さ!オーケストラをバックにした時にすごく映えるんだなーって驚きっぱなしでした。フミヤさんの声って、かなり特徴的な(そして印象的な)声なのに、バックと上手いハーモニーを作れる対応力が異常に高いと思う。オーケストラの中にポップスの人がいる~っていう足し算というより、オーケストラとボーカリストが一体となって音楽を奏でているという印象でした。

静・弱と動・強がよりドラマティックになっているオーケストラアレンジの中で、光っていたのがフミヤさんの低音!
フミヤさんの声って声質が本当に魅力的なので私はあまり音域について考えたことが無かったのですけれど、えっ…藤井フミヤの低音域良すぎてやばいのでは…??って混乱しました笑
今回のアレンジは、(私が聞いた限りでは)1番のAメロorBメロが最も静的なアレンジで音数も少ない感じかと。特にその辺の低音はめっちゃ聞き取りやすくて声質が…神からの贈り物…ってなってました。どの曲も後半につれ音数も増えてより壮大になっていくんですが、どんなに音が増えても、フミヤさんの声って低音域もかなり響くんですよね!これは本当にすごい。かき消されることなく、そしてオーケストラを制圧するでもなく響き渡る歌声、なかなか出会えないかなーと思います!

生きたボーカルと演奏を体験できる!

藤井フミヤさんのオーケストラライブといえば、2014年に行われた『billboard classics FUMIYA FUJII PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2014』がCD化されています。(指揮:大友直人 演奏:日本センチュリー交響楽団

FUMIYA FUJII SYMPHONIC CONCERT

FUMIYA FUJII SYMPHONIC CONCERT

各種サブスクリプションサービスにもあるので気軽に聞けます!
私はライブの予習大好きっ子なのでライブ前に聞いていたのですが、このアルバムすごくいい。なんか昔アンジャッシュ渡部ちゃんのラジオにフミヤさんがゲストでいらっしゃった時、たまたまオーケストラライブを見に来たレコード会社の方が出しましょう!って言って出すことになったというお話を聞いた気がするんだけど、これはCDにしてくれてありがとう!ってなる素敵なアルバムです。これが全部生....ってだけでも驚きに溢れる。正直このアルバムのクオリティが非常に高くて、本当に生で聴いているような感覚になってしまうほど。だから、このアルバムあるしオーケストラライブ別に行かなくてもいいかもってちょっと思ってた時期もあった笑

実際に生で聞いてみて感じたのはやっぱり生は素晴らしい!ってこと。生で聞くとより鮮明な感動をあじわえます𓃹別にCDが不十分ってことは全くないんですけれど、オーケストラの迫力と細かなニュアンスの輝きは生で振動として味わうと本当に痺れる。普段のライブとは違った雰囲気の中で、ポップス特有のエンターテイメント性とクラシック独特の荘厳な空気感を融合させている点は、生で見ると圧倒されます!
フミヤさんのボーカルに関してもオーケストラライブの経験も増えて、より繊細な表現をなさるようになったかなーって思いました。(前回生で見てないので推測ですが…)生だと音になる前の息遣いも聞けるのでそこら辺も見どころ。自然と藤井フミヤの佇まいと奏でる音の美しさに魅了されてしまうんですよね。

あとこのアルバムと今回では指揮者・オーケストラの方も違うので、それぞれのオリジナリティがあるのも面白い。同じ曲でも結構違うんですね、音楽って面白い。
余談ですが指揮者の西本さん、某漫画のミカエ○さまっぽくてドキドキしたー笑

やっぱり照明が良い

自称:藤井フミヤの照明loverな私ですが、さすがに今回はオーケストラコンサートにふさわしい''そういう照明''なんだろうなーと思っておりました…
藤井フミヤのライブ照明、隙がない!!!!!
って書くとまた意味不明だな…
とにかく、シンフォニックライブでも素晴らしい照明は健在でした!なんか勝手にテキトーな予想しててごめんね....

私はオーケストラコンサートの''そういう照明''も大好きです。客席を暗く&ステージを明るくすることで、今ここには自分とオーケストラしかいないんじゃないかと思ってしまうようなあの瞬間がとても好き。だから、ちょっとそういうのも期待していたんですけども、それはとてもいい方向に裏切られました。
もちろん、シンフォニックらしい照明の時もあります。あの、黒い服が輝く瞬間も健在です。ただそれだけではなく、視覚的・感覚的に高揚感を味わえるような音楽の舞台装置として素晴らしいライティングが使われていることはこのライブの大きな魅力!正直慣れるまでに時間を要したのですが、こんな発想なかった…って目からウロコでした~
ポップスライブのワクワク感とクラシックライブの優美な世界が上手く融合されていてとてもひきこまれます!こういうのは、なかなか貴重な気もする。
これは映像では伝わりづらい部分もあるかとも思うので、是非会場で体験してください♡

まだまにあいますよー!


【2020年2月27日追記】新型肺炎の流行により、3月に予定されておりました公演は全て2020年8月もしくは9月に延期の措置が取られております。最新の情報を藤井フミヤさんオフィシャルサイトや主催ビルボードラシックスさまのサイトでご確認ください。


ライブに関わる全ての方々、様々なところで対応してくださっている全ての方々が、安心して音楽を楽しめる日々になりますよう、お祈り申し上げます。


今回は全部で7本。各会場のキャパもちょうどいい感じなので後ろのほうでもステージの細部まで見えるのではないかなー?

東京公演会場の東京芸術劇場池袋駅から徒歩3分、駅直結の通路もあるので私みたいな寒がりでも気軽に行けます✨これ寒がりには本当にありがたいの…エントランスがとても絵になるのでそこも見どころ!
各種プレイガイド(チケットぴあ、イープラス等々)のぞいてみてくださいー!


余談ですが、フミヤさんのライブやチェッカーズ関係のイベントだと近くのお席の方にお若いですねーとかって話しかけていただくことがたまにあるんですよねー。そういうの、我々世代はおそらく全員、とっても嬉しいので!笑 もしよろしければ話しかけてください~~!

完売している公演も、リセールというものもあります。どうしても行けなくなっちゃった…って方が出品していらっしゃる定価のチケット。ご興味ある方は覗いてみてください。
藤井フミヤ チケット | ticket board
出品していらっしゃる方も、どこか他の公演等観に行けてますように!

案の定それなりのボリュームになってしまった…私のまとめる力の低さもありますが藤井フミヤさんのライブにおける感動情報量の多さが一番の原因だと思う笑 また次のライブ、楽しみにしています!

2019年のふりかえり!(ただの思い出話)

2019年は音楽的にたくさんいい思い出ができた1年でした。忘れないうちに書き留めておこうと思います。完全に備忘録なので素直に書こうと思う。

今年は学生生活最後の年でもあったので、大学生の余暇の多さを謳歌させてもらった日々でした笑 就職先の特性上、毎週末ライブ!みたいなことはほぼ不可能だし遠征はかなり厳しくなりそうな予感はしているので、行けるライブは全部いくことを目標にお金を湯水のごとく使いました。アルバイト代のほとんどをつぎ込んで私にしては珍しく会場にたくさん足を運んだ(当社比)ので、今までの人生で一番充実した音楽ライフを送れたと思います。印象に残ったライブの感想を改めて書いておく。何年後かに見返すつもり。

藤井フミヤ日本武道館LAST COUNTDOWN PARTY2018-2019
天下の日本武道館で、天下のボーカリスト藤井フミヤのライブを見るという貴重な体験。あまりにも最高すぎて、今後私の人生の武道館はすべて藤井フミヤ様にささげることを決意したライブでした(つまりは藤井フミヤ以外の武道館ライブは行かないという無駄な決意)。
カウントダウンって何かしら頑張ってきた一年に対する究極のご褒美であって、難しいこと考えずに楽しもうよってスタンスで臨むイベントなのだと思いますが、ずっとこのボーカルの人はなんて素晴らしいのだろう、と考え続けていた気がします。この日の武道館は年末のご褒美としてのイベントでもあり、極上の歌声を浴びる最高のコンサートホールでした。
 照明がきれいだったのがすごく印象的で、フミヤさんのボーカルも相まって、なんか映画みたいだった。絵になるアーティストってこういうひとなんだ!って、キャリアの長さの威力を見せてもらった感じ。なんだか別にいいことしたわけじゃないけど今年はいい1年になりそうだなーと思ったライブでした。カウントダウンまたやっていただきたいな。仕事の休みもぎ取ってでも行く笑。


☆a-bra:z関連
いわゆるミニサミというもの。トータル2回行ったんだっけ。なかなか興味深くて、面白いライブでした。
アブラ―ズって、SNSの使い方とかライブのプロモーションとか、あ、そんな感じなの?ってすごく不思議に思うひとたちだったのですけれど、ミニサミに行ったらすごく納得させられました。まさに目の前にいる人を楽しませつつ、演奏者も楽しむという音楽のピュアなありかたがなんとも心地よかった。こんなに純粋に音楽をやっている人たちを見たのは初めてだったかもしれない。そういう意味で、アブラ―ズの存在は衝撃的だったしある意味理想でもあるよなぁとか思いました。私は結局売れ線が好きなので、レコード会社の戦略とかプロモーションのやり方とかいわゆる産業としての音楽の構造に関するお話を聞くのが好きなのですけれど、ミュージシャンのひとたちの原点ってもっと純粋できれいなものなんだろうなぁとは思う。流通の過程でいろいろな添加物がついてくるわけだけど(そしてその過程を経なければ私はたいてい出会えないので添加物も含めて音楽だと思ってきた)、ライブに行けばそんなことないんだなぁって、音楽を生で聞くことの良さを味わったアーティストでした。
ってちょっと頭固く書いてみたけど、現実は2時間めっちゃ笑わせていただいただけの時間でした笑 音楽好きなおにーさんたちが適当に(誉め言葉)しゃべって適当に(誉め言葉)演奏してるだけなんだけどあんなに格好いいのは反則なのでは。尚ちゃんも享さんもゆーじさんもリズム感が抜群に素晴らしいので自然と生まれるグルーヴが癖になる。サミットのほうはまだ観ていないので、ゆーじさんのベースを体験するためにも絶対に観に行きたいと思います。

松田聖子Pre 40th Anniversary Seiko Matsuda Concert Tour 2019 "Seiko's Singles Collection"

聖子ちゃん!可愛かった!!!!!
今回は夢のシングルコレクション!シングル以外も名曲が溢れる永遠のアイドルなんだけど、やっぱりシングルは強い。全然世代じゃないのに全部聞いたことあるじゃん!って思いました。聖子ちゃんのコンサートは毎回衣装がとっても可愛くて、乙女の夢!って感じがたまらない𓅪エンターテイメントとしてとても魅力的なコンサートでした。でもなんと言ってもやっぱり聖子ちゃんは声が素晴らしい。モッキンバードみたいなふわふわした名曲を現実に変えられる声は聖子ちゃんだけだと思う。曲も歌詞も本当に素晴らしくて歌謡曲の到達点!って言われても首をただ縦に振るだけなんだけど、聖子ちゃんがあの声で歌い続けてくれてるのがなによりも永遠の魅力だよ!
お母さんと見にいけたのも良かったです。あんまり音楽のコアなお話を親子間でしないのだけどライブ終わりに聖子ちゃん可愛いよねぇってずっと喋ってたのは何十年かしたら本当にいい思い出になるんだろうなぁ。
あとフミヤさんも同じ62年生まれの方なのですが、聖子ちゃんはライブでお歳のお話とかほとんどないんだけどフミヤさんはもう俺も若くないからって結構いう(けどファンは藤井フミヤが異常な若さを内包していることに全員気づいている)違いとか興味深いです。どっちも永遠のアイドルで一流のシンガーですね!

藤井フミヤ35周年CONCERT TOUR十音楽団
 結局3回観にいって、3回とも放心状態になった伝説のライブ。1回目の公演(大宮公演)が2019年のベストライブでした。大宮の会場、駅から徒歩10分ぐらいなのに、放心状態になりすぎて30分ぐらいかけて駅まで行ったのも忘れられない思い出です。感動して動けないことってあるんだね。
私が知っている中で、最も優れたライブといえばglobeのRelation tour(1999年)とChage and Askaのalive in live(2007年)の二つだったわけですけど、十音楽団を見た感動はこの二つをあっさりと越えてしまった。藤井フミヤというひとは本当に素晴らしい表現者だなと思いました。だいぶ抑えめにかいた感想があっさりと一万字ぐらいになった(自分の卒業論文よりはるかに楽しかった)のはさすがに笑った。
改めて、藤井フミヤの声は天性の歌声だと思う。ボーカリストには、感情をうまく伝えるひと、言葉をうまく伝えるひと、とか、あとこの人は声量がすごいとかリズム感がすごいとかいろいろカテゴリーや特徴があると思うけれど、藤井フミヤのカテゴリーや特徴ってなんだろう?って考えたときに答えを出すのがすごく難しい。なぜならどの要素も大変すばらしいから。フミヤさんの声ってわかりやすいけど掴みづらい本当に素晴らしい声だと思います。しいて言うなら声の質の持つあでやかな色気は特筆すべきかな、と思うけど、色気もめちゃくちゃ複雑なんだよね。80年代から一貫してセックス・シンボルとして解釈されうる声が維持されている点はJPOP史でも(もしかしたら世界的にも)大変貴重な存在かもしれない。そもそも声だけでシンボルになれるってだけでため息が出るほど素晴らしいのですけど。ただ、そういう声に色気がある云々じゃ収まる話じゃないのが藤井フミヤのすごさ。特殊な声質ゆえになに歌っても正解な気もするけど、例えばいのちの根源とかひたすらに考えて信じるしかない世界へと導くこともできるし、手を伸ばせばそこにあるような恋愛の世界に誘うこともできるし、という魅惑の表現力への挑戦状みたいなステージが十音楽団だったのだと思います。見れてよかった!あとフミヤさんってセルフプロデューサーとして本当に一流。藤井フミヤの魅力を一番わかっているのは、藤井フミヤさんなんだなーと思います。“藤井フミヤが語る藤井フミヤというコンテンツ“みたいなインタビューさせてほしい。私はどっちかというとちょっとーー!大丈夫!?ってなるタイプの子を推したいオタクなんですけど、フミヤさんはわー!ついていきます!ってなる感じね。
今までこの人はライブアーティスト!って言われてきたひとの音楽も多少聞いたけれど、藤井フミヤほど、生で聞くことに喜びを感じたひとっていなかったなぁ。CDじゃ、魅力を伝えきれないって感じ。CDも素晴らしいのですけれど、ライブがそれを超えすぎている!っていう笑。もしちょっと興味あるんだけどって人いたら今すぐチケットとって見に行ったほうがいいよ!って言いたくなる気持ちすごくわかる。フミヤさんファンの新規さんいらっしゃい感がすごいのはめちゃ納得できます。残念ながら冬のライブハウスツアーは見れなかったのだけどシンフォニックは行くので今から楽しみです。
今年出たアルバム『フジイロック』、今年リリースの新譜ではダントツで聞いたので2019年を象徴するアルバムになりました。全体的には私が普段聞く音楽の中で一番若い音を出してるの藤井フミヤじゃね?って思ったんですが、何度も聞くとその熟成具合に驚く作品。
一番好きなのはTokyo City Night。2010年代の(2010年代も今日で終わりかー!)東京の、洗練された街並みの裏に紛れている寂しさと愛情とロマンスが藤井フミヤの声によって明るみに出されていく感じがなんとも。こういうのCMで使ったらおもしろいのでは。あとTOKYO CONNECTION(1987年)が80sの混沌と熱狂の中にあるコネクションを描いているのと対照的でなのも面白い。そしてまだこの街にはロマンスが眠っているという密かな喜びを見つけ出す、藤井フミヤさんのライターとしての眼の美しさに私はこれからも夢を見るんだと思う。次のアルバムも楽しみにしています。

☆globe generation season2 GLOBISM
今年一番うれしかったライブはずば抜けてこれです。私の今年の音楽生活はこのライブのためだけにあった、といっても何にも後悔はない。
globeは私の好きな音楽のツボをすべて抑えてくれている人たちで、おそらく一生聞き続けるアーティストの一つなのですが、全くリアルタイムで追えなかったひとたちでもある。なんだかglobeを取り巻くいろいろなことに関して、神様はいじわるだなぁって何度も思ったけどまぁそういう、ゆがんだ構造と痛みこそglobeの輝きであったりして、めちゃくちゃ複雑なとこも魅力の一つだと思う。何があろうとglobeへの気持ちが小さくなるなんてことは絶対にないけど、ライブは、あったほうが全然いい!って心の底から思いました笑。
 グロジェネのいいとこは、MARCさんの歌が聞けるとこと、生演奏なとこと、どの曲もリミックスが最高に格好いいところ!2019年のglobeの音だ!って本当に本当にうれしかった。
 私はMARCさんこそがglobeの本体だと思っているんですけど笑、globeがglobeであり続けられるのはMARCさんがいてくれるからで、精神的にも音楽的にもglobeの中心ってMARCの声なんじゃないかな、といつも思います。小室先生は結構のちのインタビューでプロデュースワークの最高傑作はKEIKOちゃんって仰っていた印象だけど、MARCの声を発掘したことが一番の功績だと私は思ってるって会ったらいうつもりでいる笑笑 私の見解はどうでもいいとして、グロジェネのMARCさん、本当に本当に最高でした!一曲目がFeel Like danceだったんですけど(というかセトリglobeのベストアルバムだった)、冒頭のLet you know that we’re the best!という最強のフレーズを聞いたとき、私はずっと死ぬほど恋焦がれてきたglobeのライブにいるんだ!ってこれ以上ない幸せを感じました。MARCさんの声って本当に独特で、母国語が日本語だったら絶対に出ない響きなんだよね。ちょっと吐息交じりのアンニュイなんだけど色っぽくなりすぎず、ビートを切り開いていける声!KEIKOちゃんとTKの声の相性の良さもJPOPの歴史に残る尊さだけど、そこにMARCさんの声が入ると、TKの声も第3のボーカルになるというか(コーラスじゃなくて)、あの二人を輝かせることができたのはMARCさんの存在があったからこそだと思います!globe is the best!
あと初期(だいたいRelationまで?)のglobeは大枠の歌詞を小室先生が書いて間のラップパートをMARCが埋めるパターンで曲をつくってきたわけだけど、小室先生とMARCって共同制作者として最も近いところにいたというか、一番同じ世界を見ることができる言葉を選べるふたりだったと思う。後期はまたちょっと違う魅力があるのでまたそれはいずれ書くとして、今回の初期のヒット曲がたくさん詰め込まれたグロジェネの曲を聴いてMARC&TKのリリックのすばらしさを改めて味わいました。globeは全部が最高傑作。
生で見たMARCはこんな人が実在しているのか….とため息が出るぐらいイケメンだった。今でもあれは漫画の国のひとだったんだろうなっておもうぐらい夢見心地なかっこよさでした!大好き!関西の某globe関連のイベント行ったときニアミスでMARCさんにお会いできなかったので2020年の目標はMARCさんに会うことにします。
 KEIKOちゃんは私が知りうる限り、一番幸せそうに音楽を奏でるボーカリスト。高音でも細くならないかつ低音も響かせられる唯一無二のボーカルは、globeの永遠なるアイコン。globeって鬼のように難しい曲をヒット曲にしてしまっていたとんでもないユニットだったなぁって、ライブで改めて思ったのですが、小室先生を始めとしてあんなに難解で複雑な楽曲を作り続けられたのもすべてはKEIKOちゃんならってみんな思ってたからなんだろうなぁ。グロジェネでI’m still alone聞いたときは本当に感動しました。すごく寂しい歌詞だけど(マークの歌詞はとても良い)、どこかに絶対希望がある強さがあって、それだけで涙が出ちゃう。一生好きです。元気にしてるかな。社会人になったら臼杵行こうと思います!
 私は小室哲哉先生の音を大変好んで聞いてきた人間だけど、小室先生の作った音を大音量かつ生音で聞くという体験は実はグロジェネが初めてでした。なんて魅力的な音なのだろう、ってちょっと泣けた。リズムセクションの入れ方と頻発する小室刻み、シンセの忘れられないリフ、どこをどう切り取っても最高で、小室哲哉とおなじ世界線に生まれてよかったー!って思いました。私はモンペになりたいタイプのオタクだから小室先生はいろんな意味で究極の推しだし(こむろせんせいかわいい!)、キャラクターとしてもすごく魅力的な方だとずっと思っているのですが、何よりもこの人は音楽を導いて、音楽に導かれて生きてきた人なんだと思うし私もその音楽に心底魅せられて大好きになったんだと再認識しました。今も世界のどこかで、小室先生のことを心底想ってくれている人のそばで音楽のこと好きでいてくれたら、ファンとしては一番幸せだと思う。だからおいしいもの食べてゆっくり寝て幸せな日々を送っていてね!
 そういえば?、私の生まれた週のオリコンシングルチャート1位がglobeの曲だってことをここ最近知りました。私は一般的なglobeジェネレーションとはちょっと違う年代なんだけど、こういう世代にもglobeしっかり響いてるよ!ってのは書いておきたい。グロジェネseason3楽しみにしてます!
スピッツJamboree Tour 2019-2020 MIKKE
 気が付けばベルゲン会員になって10年もたってしまった(!)のでそりゃ私も歳をとるよね、と思ったのですが笑、スピッツは本気で毎年若返っておられるのでは?と思いました。今回のツアーも相変わらず最高でした。最近シンセの打ち込み系の音楽をよく聞くんだけど、やっぱり!生の!重たいドラムと!動き回るベースが!恋しい!!ってなるのは確実にスピッツのせいだと思う。スピッツのリズム隊ひいき目じゃなく日本一だと思っている。1年ぶりに観た田村さん、こんなに動いてたっけ??って思ったぐらいには動いてらっしゃってとても良かった。またライブ行きたい。

あと音楽関連で覚えておきたいやつ。
spotify導入した
 昔聞いていた曲ちょっと聞きたいって時に便利かなーと思ってはじめてみたらほんとにやめられなくなった。やっぱり敷居がぐっと低くなったので音楽の幅も広がった気がする。むかーしハードロックの名盤200選みたいなの(BURRN!で2005年あたりに特集されてたやつ)全部集めようとして秒であきらめたのだけどそういうのサブスクだったら余裕でクリアできるって本当に衝撃的ですよね。特に何となく知ってるけどちゃんと聞いてなかったやつをちゃんと聞けるのが大きい。
CD買う量は減ってしまうかなと思ったけど、現状私がいる環境ではWalkmanで聞くのが一番音が良いので結局サブスクで気になった音楽はCDを買うようにしているのでむしろCD買うようになった笑。タワレコ最高だぜ!
ハイレゾデビューした
これもついに誘惑に負けてしまったもの。ずっと気になっていたんだけれど、私の使ってるイヤホンやっすいやつじゃん、てことでスルーしてきたのですが、moraの冬のハイレゾプライスオフの中にglobeが入っていたのでつい買ってしまった。30曲入りのベストアルバムがたったの1620円という驚愕の安さ。普通のCDだとしても30曲3000円は相当お安いのにハイレゾverがほぼ半額で買えるとかもうCDショップ行く意味って何なんだろうね?ってさすがに思った。
聞いてみた感想としては、すごく細かい音まで聞こえて気持ち悪さすら感じるぐらいだった。ハイレゾ、すごくいい。まぁ結局のところやっすいイヤホンを使い続けているので、本当にハイレゾをそのまま再生できているかは謎なのですけれど、安いイヤホンでも正直おおおなんかちがう!と思うぐらいにはいい音に聞こえるので良しとする。
一番感動したのはPerfume of loveにおける小室哲哉先生のコーラス。4枚目までのglobeって実質ボーカル3人のユニットじゃんみたいなとこあるけどこの曲のコーラスはとりわけ絶品。小室先生って声が細い?(独特だけどあんまり声量がない雰囲気)から相当重ねられておられるのでその重ねられる前の音源の質感が感じられたのが一番の収穫だったと思う。またいろんな音源ダウンロードしたい。
☆今年一番聞いたアルバム
Spotifyが算出してくれた(便利!)のによるとglobeの『Outernet』でした!2000年入って以降の小室哲哉先生は本当に神様の使者みたいな音作ってたなぁって感動しかないです。最近はdeep JAZZ globeとかRemodeシリーズも好き。globe一生大好きだよー!

というわけで、藤井フミヤとglobeと小室先生に夢中だった一年でした!振り返ってみれば例年と変わらない気もするけど、楽しかったのでよし。来年はどんな音楽に出会えるか今から楽しみです。
卒業までにチェッカーズのこといろいろ書けたらいいなぁ、というかちゃんとまとめたいなと思っているのでそこらへんも楽しみです。