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THE CHECKERS PATi▷PATi FILE 1984-1992をおすすめするなど。

先日、ついにTHE CHECKERS PATi▷PATi FILE 1984-1992を手に入れてしまいました。

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チェッカーズのために創刊された今はなき音楽雑誌が、彼らの解散時に出してくれたアーティストブックであり、同誌に掲載された全記事を網羅したそのボリュームは全4冊2000頁以上というシロモノ。

 

そもそもなぜこの本を手に取ったかというと、チェッカーズの8thアルバムOOPS!に関するインタビューが読みたかったからです。OOPS!ってチェッカーズにとっても、当時の音楽シーンにとっても挑戦的なアルバムだと思う。だからこそ制作秘話とか気になるし、読み解いて深めたい作品。なのに世に流れている情報がすっくない!笑 みんなの情報プラットホーム・WikipediaのOOPS!の項目

https://ja.wikipedia.org/wiki/OOPS!

なんて2分ぐらいで書いたでしょ?ってぐらいの情報量しかないんだもん、びっくりしました笑まあ情報がないなら自分で入手すればいいじゃない、ということでインタビュー集を購入することに。

正直言って一人暮らし大学生にとって手軽な買い物ではなかったけど、とてもいい買い物だったと思います。新規リスナーことチェッカーズ情報難民にとってまさにバイブル、救いの書です。情報の洪水って幸せですね。

 

今後チェッカーズに夢中になる方のために、おすすめポイントを記録しておくので(そもそもそんな人がこんな辺境地のブログ記事を読んでくれる奇蹟は起こるのだろうか笑)みなさん一緒にチェッカーズを研究して素晴らしい7人組バンドの歴史と存在意義を再構築しましょう…

POINT1アイドルバンドとして駆け抜けた日々からチェッカーズの完結までの流れを時系列で追うことができる

冒頭で4冊組と書きましたが、

1984年~1986年(絶対チェッカーズ!!~NANAあたり)

②1987年~1989年(I love you,SAYONARA~ Seven Heaven)

③1990年~1992年〈運命~解散まで)

④ONLY THE CHECKERS (GO TOURあたりで発売されたチェッカーズ増刊号的なやつの再録版)

という構成。①はスーパーアイドル扱いだった彼らの、追っかけに悩まされつつ音楽を追い求める姿が、②にはオリジナル制作ができる喜びと音楽と向き合う際の成長痛みたいなものも、③は新しさとチェッカーズらしさの両立、そして突然告げられた解散への歩みが克明に記録されています。④は①のころを振り返りつつ、②に行くまでの過渡期がレポートされてる感じ。すごいのは一貫してチェッカーズをアーティストとしてクローズアップしている点。ついでに同時期に行われていた個人のソロ作品についてのインタビューもあり、同時進行のプロジェクトがよくわかるかと。個人的にはマサハルさんのソロ活動のやり手っぷりに驚きました。マサハル、めちゃくちゃ目立ってるやん!

あと、解散って本当に突然だったんだなあという点がすごくわかりやすかった点が印象的でした。解散に関する記事の初出が1992年11月9日発売の1992年12月号みたいですが、その一個前の記事が「MASARINA スポーツの秋、芸術の秋」という笑。マサハル、めちゃくちゃ目立ってるやん!笑 解散はリスナーにとってかなり想定外だったんだろうなあ。解散に際して各メンバーからのコメントがあるのですが、みんな惜しみつつすごく前向きで、私はチェッカーズというバンドがあの7人の手の中にあるうちに彼ら自身によって幕引きされたことがすごく格好良く感じられました。解散してくれてありがとうっていうとなんか違うけど、いい終わり方だったとしみじみ。

解散に際しての郁弥さんのメッセージが「悲しまずにチェッカーズを追求してチェッカーズおたくになってください(笑)」だったので、みなさん今からでもおたくになりましょう、、笑

POINT 2 雑誌の文体ごと、チェッカーズが生きた時代を感じさせてくれる

さて、今回の優秀者への賞品はP167~198の間で展開されている「懐古絵物語」中Ⓟ印が付いている貴重な品物たち!欲しいよぉーっていう物の第3希望までと回答をP262のハガキに記入して7月末日までに編集部に送ってね♡赤ペン持って待ってるわ♡♡♡

         ーONLY THE CHECKERS 196pより引用(原文ママ

この文章、一人で読んでて思わずなんやねん!って言ってしまったのですが笑、本当に80sカルチャーの王道だと思う。やたらテンション高そうな感じが何ともノスタルジー。特に初期の記事なんかは語尾のネだけカタカナだったり、トッポイとか完全なる死語というかもはや化石みたいな言葉が使われていたりしてなかなか面白いです。当時の日常会話を知る資料としても使え、、ないか、さすがに。

時代性はともかく本当にこのアーティストを好きな女の子が勢いで書いちゃったという雰囲気が何ともあたたかいです。普通メディアってある程度の客観性を持ってるもの(音楽誌は特に、時として批判も含めた評論をしなければならないので)だと思いますが、パチパチは客観性よりも好き!が前に出てる感じ。単にアーティストが情報を発信する場であっただけでなく読者と編集部の人が一緒にアーティストの成長を味わい見守ることを体現する雑誌だったのでは、と感じられる空気感が誌面の至るところに現れています。

当然チェッカーズに関する記事だけを集めているのですが、一応当時の表紙の写真も載っていて、同年代のアーティストが知れるのも個人的には興味深かったです。TM NETWORKの記事とか読んでみたかったなあ。尾崎豊さんの記事にも♡マークとか使ってたんだろうか。

 

POINT 3メンバー個人のインタビュー(各ソロ活動含む)、ライブレポート、キャンペーンの様子などを網羅している

想像していた以上に個人インタビューのボリュームがあって本当にありがたいです。各シングル、アルバムが出るごとに7人にインタビューを行うのはきっとスケジュール的にもすごく大変だったと思いますが、彼らが音楽をどう捉えていたのかなんとなく掴めて面白い。何より7人みんな自由人なので笑、いろんな視点があるのだけど、形や言い方は違っていてもみんなそれぞれチェッカーズというバンドを誇りに思っていたのがうかがえます。音楽面はもちろんのこと、生い立ちとかフツーの趣味とか面白いQand Aもあって楽しい本です。個人的には一番好きな童話は何ですか?という質問にアルプスの少女ハイジと答えるクロベエかわいいなあって思いました!

ライブや新曲の地方キャンペーンにも密着取材が行われているのも面白い。後期も結構スケジュールきつそうだったり、初期は握手会なんかもやっていたりして現代のアイドルやアーティストと通じる部分も。日本の芸能界ってあんまり変わっていないもんですねぇ。

 

POINT4 チェッカーズディスコグラフィーが手に入る

解散して25年もたってるバンドだから当然といえば当然かもしれませんがチェッカーズって公式サイトが無く、公式のディスコグラフィーがないんですよね。ポニーキャニオンのHPに生きてる(流通している)もののカタログはあるけど、再発売がやたら多くてオリジナルの発売日いつだっけ?と頭を抱えていたのですがこの本の巻末に一応リスト化されておりました。ありがたや。ソロ作品も含めてきちんと順番になってます。

ライブのスケジュールもある上に、全部かどうかはわからないですけどTV出演番組も書いてあるので本当に良い資料でした。

 

 

 

音楽雑誌なんてシューゲイザーとかオルタナティブロックとかちょっと気取った用語を使って新譜を紹介するメディア(思いっきり偏見ですすみません)だと思ってた今までをちょっと見つめなおそうと思いました。既存のものと比べると珍しい雑誌に見えるけどすごく魅力的です。

ここまで書いといていうのもあれだけどまだ4割ぐらいしか読めてないや笑 相当ボリューミーなのでしばらく楽しめそう。

これから購入を考えておられる方、すごくおすすめです! ただし物理的にかなり重い本なので運搬の際はお気を付けください。 

 

 

そういえばTwitter見る限りでは20代のチェッカーズファンの方、割といらっしゃるように見えるのですがこの情報の無さをどう乗り切っていらっしゃるのだろうか…私が情報欲しがりすぎなだけか~☆