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気がつけば藤井フミヤのことばかり考えている

気がつけば藤井フミヤのことばかり考えている。そんな恐ろしい事実に気がついてしまったのは1月中旬のこと。 音楽好きの端くれとしてそれなりの数のアーティストの音楽を聞いてきた(と思う)けれど、ここまで急激に、そして日常を染め上げられるほど1人のアーティストにのめりこむのは久々でした。

しかしながら、なぜ藤井フミヤなのか?藤井フミヤのどこが好きなのか?という疑問に対しては明確な答えを探すことができませんでした。こんなに好きなのに、どこが好きなんだろ と考えるとん~~全部~~꙳★*゚みたいな語彙力ゼロの感想しか出てこないという由々しき事態。

まあそれでもいいと思うんですけど笑、せっかくだから記録として言語化しておけばより理解も深まるかなという甘い期待のままに藤井フミヤの魅力について書いておこうと思う。

藤井フミヤは感覚的なひとである

とりあえず生い立ちから探るかあと思って手にしたTHE CHECKERS PATi▷PATi FILE 1984-1992を読んで1番思ったこと。

カッコ良く生きたいですね。いろんなことやってみたいし、見たい、知りたい、聞きたい。色んなものに触れて、ハッと思いたい、感動したい、感激したいんです。

 

すごく初期のインタビューでの発言ですが多分根本は変わってないんじゃないかな…考えるよりも感じること、感激すること、そしてそれを表現することへの探究心が彼の原動力なのかもしれない。

もともと生まれてきたことが試練だからさ。(中略)あとやっぱりね、センスだね。人生は全部。

彼自身の生き方は凄く感覚的で、いいと思ったことはやる~ってタイプだと思うけど、他人に対してはちゃんと考えて想いやれるっていうある種の理想系ですよね。格好良い。 あと感覚的ってともすれば感情的になる可能性もあると思うけどフミヤさんはそうじゃない。個人的な好き/嫌いより割と普遍的な良い/悪いの土台がある人なんだと思います。はーー人間として羨ましい。

あと学生時代はかなりの不良だったって話は知っていたのですが、、すごい…想像以上だった笑 昔ちょっと悪いことしてました~~みたいなライトな不良じゃなくてまじでヘビーな不良だった笑 面白いのは、不良になった理由があんまなさそうな点。普通環境や社会に反発心があって反社会的行動に~っていうテンプレストーリーがあるんだと思ってたんだけどそういうの無さそうだった。格好良いと思ってたからやってたぐらいの感じだった。まあ実際のところはご本人にしかわからないですが。

デビューについての話もとても興味深かった。 一旦就職した大企業・国鉄を辞めてのプロデビューだったわけで、普通のひとだったらうわー何がなんでも絶対売れなきゃ…って焦ると思う。でも藤井郁弥には驚く程に焦りがなくてむしろ気持ち良いほどに楽観的。かといって奢っているほど自信があるわけでもなく、根拠もなく「売れると思っていた」。ただそれだけ。こんなにあっさりしてていいの!?って私なんかは思っちゃったけどそういう生き方がかっこいいですよね。余裕があるというか。テキトー過ぎず、固くなり過ぎずっていう絶妙のバランス。その軽さが、偉大なる(って言うと大袈裟かなぁ…でもまじでこう思う時もあるのが事実です)大物シンガーなのに優しいとか可愛いとかかっこいいとかまるで身近にいる好きな人を想うような語り口でばかり語られている理由なんだと思います。

 

藤井フミヤは、他人である

いやー当たり前すぎて今更言うことじゃないでしょ…って思われたと思うんですけど笑 これは歌詞について。 藤井フミヤの書く歌詞って、少なくとも私はあんまり共感できないんですよ。だけどめちゃくちゃ好きなのです。これは私にとってかなり衝撃的なことでした。

 

〈君の方がつらいね 君が僕をつくった〉100vのペンギン

これを曲全体の文脈と切り離して語るのはとてもナンセンスだと思うけど、でもここままでストレートに労る気持ちをシニカルな曲に入れ込む技量は感動すら覚えました。

〈なんかいいこと なんかいいこと ちょっと素敵ないいことが 今日は君に起きるからね〉 なんかいいこと

なんかいいよね。めんどくさいバイトの前に必ず聞いている曲です笑。当たり前だけど共感はしないと思う。そこまで自己暗示かけないから笑 この曲聞いた時に凄く納得したんですけど、藤井フミヤは欲しい言葉をくれるひとだと思う。

リアルタイムシェア全盛の現代において、自分と同じことを考えてる人を見つけることは凄く簡単。もはや共感は私たちにとって当たり前のこと。だからこそ共感できる歌詞とか上手く言葉にできないけど考えてることを代弁してくれるような歌詞が増えて?るんだと私は思ってます…やっぱ共感してくれる人がいるって安心できるしね。

その一方で、あくまでも他者として(自分と同化せずに)自分と向き合ってくれて、声をかけてくれる存在を見つけるのって割と大変だと思う。ちゃんと自分のことをわかってくれる人に出会えるなんてなかなかないじゃないですかーこんなに人口多いのに笑

藤井フミヤの歌詞はあんま共感できない、完全に''自分ではない他者''の視点を持っていると思うんですけどそこが良い。暖かい何かを''与えてくれる存在''なんだよね。家族とか友達とか身近な存在とはまた違った距離感なのも良い。しかも欲しい言葉をくれる上に割と平坦な言葉で夢を見させてくれるという。こんなにリスナーのことを包み込める歌詞も珍しいのでは?

ついでに全く共感しないけど好きなフレーズも書いときますね…

〈今夜はMAMAに嘘つきな 解けない魔法かけてあげる〉PM9:00のシンデレラ

チェッカーズ3rdアルバム収録の可愛い曲。解けない魔法かけれるのにママには嘘で誤魔化しな~っていう、妙に現実味があるとこが好きです。

〈映画みたいさ夜明けの海がフロントガラスに広がった 水平線に昇るタイトル ふたりの恋の物語始まった〉映画みたいに

 

こういう詞に共感出来たらめちゃくちゃ良い恋愛なんだろうな~とは思うけどまあそんな経験ないよね!笑 ''映画''じゃなくて ''映画みたいに''なのが素晴らしい。ここでのふたりにとっては作られた映画じゃなくて映画みたいな鮮やかな現実なんだよね。素敵。 私が今まで好んで聞いてきた音楽の歌詞は ①自分の考えや想いとほとんど一致している「めちゃくちゃ共感パターン」か②自分の環境とあまりにも離れている完全別世界の「異世界現実逃避可能パターン」のどちらかだったと思う。藤井フミヤの書く歌詞はどちらかというと②に近いとは思うけど、異世界ってほどではなく、あくまでも現実世界に根差した適度なSF感と贅沢感が融合しているんですよね。

〈美しいナイフが胸を刺す きらめく血を流し息絶える また今夜も〉 crystal blood

 

作詞の時は1行のキャッチコピーを作るように詩を書くと語られていたけどまさにこういうフレーズはキャッチコピー的だと思う。一曲でストーリーを描くのも素敵ですが広告みたいな少ない情報量で人の心を掴むのは凄く難しいことだと思う。こういうキャッチコピー的な歌詞の曲は藤井フミヤの歌唱表現がより明確になるので最高。言葉の美しさを最高の表現力で味わう贅沢。

 

ここまで色々書いたけど、藤井フミヤは感覚的なひとでそして私たちリスナーをも思考から解放させてくれる人だと思います。考えるより楽しめ!みたいな。だからねーライブ行くとうわーー良い…ってなるだけなので本当に幸せだと思う。考えることも大事だけど単純に今めちゃくちゃ楽しいじゃん!って思えるのって1番幸せかもしれない。そして1番難しいことでもある。でもそれを可能にするスター性と親しみやすさが藤井フミヤにはあるんだと思ってます今のところ。結論:藤井フミヤ最高

まあ私が持ってる音源なんて数限られているので、、私が知っている藤井フミヤなんて多分5%ぐらいだと思う(数字は適当)笑 まだまだ知らない魅力に出会えるのを楽しみにオタ活しようと思ってます。

ライブ7月まで待つのつらい~~~!早く夏になって~~!